酷暑マラソン環境を可視化!清水建設が移動計測システム開発
2016年8月19日

管理人のイエイリです。

リオオリンピックもいよいよ大詰めを迎え、最終日の8月21日には男子マラソンが開催されます。

続く2020年の東京オリンピックは、7月24日~8月9日の日程で開催が予定されていますが、選手や観客の健康管理で特に重要なのは、ヒートアイランド現象真っただ中で行われるマラソンです。

そこで清水建設は、屋外の温熱環境や風環境を見える化する移動式環境計測システムを開発・実用化しました。

その実用化第一弾として、8月11日~14日、東京大学工学部都市計画学科の横張真教授と共同で、東京都心で計画されているマラソンコースの

 

温熱環境を計測

 

したのです。

電動車イスをベースにしたスポット計測車(左)とワゴン車をベースにしたエリア計測車(右)(以下の写真、資料:清水建設)

電動車イスをベースにしたスポット計測車(左)とワゴン車をベースにしたエリア計測車(右)(以下の写真、資料:清水建設)

この環境計測システムは、ワゴン車をベースにしたエリアの温熱環境を計測する「エリア計測車」と、電動車イスをベースにした局地の温熱や風環境を計測する「スポット計測車」からなります。

エリア計測車には温度計や湿度計のほか、日射計や長波放射計が付いており、時速20~40kmで走行しながら、効率よく地域の温熱環境を把握できます。

そして計測したデータは、GPSの位置情報とリンクさせてデータロガーに蓄積し、さらに3G回線でデータを送信し、グーグルアース上にリアルタイム表示することができます。

エリア計測車に搭載された温熱環境計測機器

エリア計測車に搭載された温熱環境計測機器

エリア計測車での計測で温熱環境が過酷だった場所は、スポット計測車でさらに詳細な計測を行います。

スポット計測車には、温度・湿度計のほか、上下・左右・前後の長短波放射量を計測する装置、そして

 

3次元の風向風速

 

を計測できる機器が搭載されており、歩行速度で移動しながら計測作業を行います。

スポット計測車に搭載された計測機器

スポット計測車に搭載された計測機器

こうした計測により、温熱環境を悪化されている原因がわかるので、最適な温熱環境の改善策を計画することができます。

例えば、風通しの悪さなら風の道の確保をしたり、上からの日射なら日よけなどの上空対策をしたりといった具合です。

また、道路からの放射熱なら遮熱舗装施工、建物壁面からの放射熱なら壁面緑化、それでもダメならドライミスト装置を臨時に設置する、といった方法も考えられそうですね。

2020年の東京オリンピックは、日本が誇る地球環境保全や省エネ技術を世界にPRする場にもなりそうです。

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