管理人のイエイリです。
工事などの影響で、建物に被害が発生したとき、補償のために「工損調査」と呼ばれる家屋調査が行われます。
この調査で特に大変なのは、建物の壁にできたひび割れの幅などを記録する写真撮影や、調査後に行う調査票や写真帳の作成作業です。
損傷個所の写真撮影には、3人がかりでホワイトボードを持ったり、クラックスケールを当てたりしながら行っていました。
そこで大分県別府市の零スペースは、スマートフォンを使って工損調査の作業効率を大幅にアップさせるクラウドシステム「工損高速クン」を開発しました。
その効果は絶大です。
ナ、ナ、ナ、ナント、
1人だけで撮影
できるようになったのです。
その理由は、ホワイトボードをスマホアプリ内で表示できるようになったことと、現場張り付け式のクラックスケール「Hurry(ハリー)」を使うことにあります。
また経年変化によるひび割れの拡大などを記録する場合には、以前撮影した写真をクラウドから呼び出し、撮影時に表示させながら同じアングルで撮ることができます。
現場で撮った写真はスマホからクラウドに送信します。すると調査票や写真帳が自動作成されます。
クラウドシステムはアマゾンのものを使用しており、セキュリティー対策はばっちりです。また、写真の改ざん防止機能も備えています。
気になるお値段ですが、張り付け式のクラックスケールが50枚で2700円(税込み)、クラウドの使用料が写真1枚当たり25円(同)だけと、リーズナブルです。アプリや保守料などはいりません。
そのため、「工損高速クン」を使うことで現場での作業が3人×1.5時間=4.5時間短縮される他、これまで1人で1~2日かかっていた調査票や写真帳の作成作業がなくなるため、1件の調査で
3万3750円の経費節減効果
があるとのことです。(人件費2万円、1件300枚の写真撮影を想定した場合)
その内訳は、下記のフローを見てくださいね。
先日の熊本地震では、罹災(りさい)証明書をなかなかもらえずに困っている被災者が多く、今も待っている人がいるそうです。
零スペースでは、この工損高速クンのシステムを活用して、罹災証明申請書などをスムーズに発行できる無償ソフトの開発も計画しています。このプロジェクトに協賛する企業や団体がありましたら、同社までご連絡くださいね。
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