管理人のイエイリです。
ビルや工場の内部など、GNSS(全地球測位システム)が使えない場所で、ドローン(無人機)による巡回点検や警備などを行う時、問題となるにはドローンに自分の位置を把握させる方法です。
壁にQRコードを張ったり、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)のデータと画像解析を組み合わせたりと、様々な方法が開発されていますが、専門家でないと設定が難しく、一般の作業員にはドローンの飛行ルートが分かりにくいといった課題もありました。
そこで、東大発のドローンスタートアップ企業、本郷飛行機(本社:東京都文京区)は、ドローンの飛行ルートを誰でも設定でき、その場で作業する人にもわかりやすい、超シンプルな屋内用ドローンとして、「P250-LN」のおてがる版を発売することになりました。
ドローンの飛行位置を設定するのは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
カラーのラインマーカー
を床に張るだけなのです。(本郷飛行機のプレスリリースはこちら)
このドローンは、建物内に“線路”を引くように途切れなく設置されたラインマーカーに沿って飛行します。
ラインマーカー上に置いた離着陸ポートから自動的に離陸し、指定されたルートを巡回し、写真撮影などを行った後、着陸して自動充電します。
ラインマーカーに交差点を作ることで、前進・固体や旋回・昇降の指示を与えます。
これまでは、P250-LNは、同社がラインマーカーの設置や機体のカスタマイズを行うソリューションとして提供してきましたが、今回、誰でもラインマーカーが設置できる「おてがる版」のセットを新たに発売しました。
使用するドローンは、本体が150mm×150mm×80mm、ローター径が100mmで、重量約250g(バッテリー込み)の小型のものです。飛行時間は約15分で、機体には4K相当のカメラが搭載されています。
「おてがる版」のセット内容は、ドローンやバッテリーのほか、離着陸ポート、Wi-Fiルーター、操作用のタブレット、そしてラインマーカーのサンプルからなります。
飛行する通路の幅は70cm以上、高度は70cm~3.5m必要です。ドローンがラインマーカーを見失わないようにするため、外光による白飛びや照明の明るさに気を付ける必要があります。
そこで、専用のアプリケーションを使って、
飛行可能かを確認
できるようになっています。
使用例としては、点検や撮影のほか、屋内のメーターや漏水の確認、荷物に付いているQRコードの読み取り、棚卸しなど幅広く使えます。
GNSSの電波が届かない場所で、手軽にドローンによる点検などを行いたい方は、ラインマーカー方式のドローンを検討してみてはいかがでしょうか。