BIMで見やすさ解析!大成建設が劇場用シミュレーション手法を開発
2016年11月8日

管理人のイエイリです。

劇場の設計では、客席から舞台が見通せるかどうかが、顧客満足度を大きく左右すると言っても過言ではありません。

しかし、数千人を収容する劇場を設計するとき、それぞれの座席から前の観客の頭や手すりなどでどの程度、視界が隠れるか、舞台がどのように見えるのかを確認するのは、大変な作業ですね。

そこで大成建設は、劇場などの設計で最適な座席配置をスピーディーに行える新しいシミュレーション手法を開発しました。

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

BIMモデルを「可視化率」

 

という指標で評価するシステムなのです。

BIMモデルを使って座席からの見通しを「可視化率」で評価する新しいシミュレーション手法のイメージ(資料:大成建設)

BIMモデルを使って座席からの見通しを「可視化率」で評価する新しいシミュレーション手法のイメージ(資料:大成建設)

可視化率とは、座席から舞台をどれだけよく見える化を数値化したものです。座席や手すりなどに遮られて全く見えない状態を0%、完全に見える状態を100%とします。

BIMモデルを使って、各座席からの可視化率を解析することで、“見やすい座席”が劇場内にどのように並んでいるのかが、上記の図のように一目瞭然でわかります。

これまでも、BIMを使って各座席からの見え方をCGパース化して確かめる方法はありましたが、座席数が多くなると効率の点で大変ですね。

その点、今回の手法を使うと数千人規模の大ホールでも、可視化率の解析から結果の表示までを

 

1ケース、約30分で完了

 

することができます。

そのため、座席配置を変更しながら、結果を確認するという作業を何度も繰り返して、最適な設計を追求することができます。

BIMを使って、観客1人ひとりの満足度を追求するというサービスは、心がこもっていていいですね。

巨大な劇場や競技場ももちろんですが、ビルの会議室でもスクリーンを使ってプレゼンテーションするとき、後ろの席から見えにくいことがよくあります。このシステムで、会議室の見通しも改善できるようになることを期待します。

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