2分でスリーブの位置確認!三井住友建設が管理システムを開発
2017年2月6日

管理人のイエイリです。

建物の壁や梁などに電線や配管を通す穴、スリーブはコンクリート打設前にその位置や数、径などをしっかりと確認しておく必要があります。

もし、スリーブの位置や数などが間違ったままコンクリート躯体ができあがってしまうと、後で開け直すのは至難の業ですからね。

コンクリート打設前のスリーブの取り付け状況(以下の写真:三井住友建設)

コンクリート打設前のスリーブの取り付け状況(以下の写真:三井住友建設)

この確認作業を省力化するため、三井住友建設は九州大学と共同で、コンクリート打設前のスリーブ位置を確認できる管理システムを開発しました。

パソコンにカメラを取り付け、動画を撮る要領で

 

現場全体をざっと撮影

 

するだけで、スリーブの取り付け位置や設計図との誤差を確認できるのです。

地中梁のスリーブ取り付け位置検査を想定して行った室内実験の様子。パソコンとカメラで現場全体を撮影するだけでスリーブの位置を確認できる

地中梁のスリーブ取り付け位置検査を想定して行った室内実験の様子。パソコンとカメラで現場全体を撮影するだけでスリーブの位置を確認できる

使い方はまず、設備スリーブの端部に新開発のマーカーを張り付けます。

これをカメラで撮影すると、コンピューターをマーカーの中心座標をリアルタイムに計算し、設計上の取り付け位置と比較。誤差を瞬時に確認できるのです。

スリーブ位置の算出には、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)という技術を活用しました。

設備スリーブは、水、ガス、空気、電気などの用途別に設けるため、建物全体では相当な数になります。そして開け忘れがあると、大変なことになってしまいます。

そこで同社はこれまで、スリーブの位置確認はコンクリート打設前に関係者立ち会いのもと、人手と時間をかけて全数検査を行ってきました。

従来のスリーブ位置確認作業。関係者が立ち会いの下、長い時間がかかっていた

従来のスリーブ位置確認作業。関係者が立ち会いの下、長い時間がかかっていた

上の室内実験の写真にあるような地中梁のスリーブ取り付け位置検査の場合、従来の方法だと1時間以上かかっていましたが、このシステムを使うと撮影・測定から結果が得られるまでの時間が、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

わずか1~2分で

 

済み、精度も従来と同等とのことです。

同社では今後、現場で実証実験を行い、実用化を目指して開発を進めていくほか、橋梁の外ケーブル取り付け位置の管理など、土木分野での適用も視野に入れています。

ひょっとするとタブレットやスマートフォンなどにも、このシステムを使えるようになるかもしれませんね。現場の施工管理業務を大幅に変えてくれそうな技術です。

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