管理人のイエイリです。
設計・施工時に作成した建物のBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)データを、維持管理で活用するのは一見、簡単そうでも様々な問題があります。
例えば、建物の各部分を表す用語の違いです。そのため、設計・施工時のBIMデータの属性情報に、維持管理の段階で違った用語を付け加えると、“異口同音”のデータが混在してしまい、かえってややこしいことになってしまいます。
そこでスターツコーポレーションと同グループのスターツCAM、スターツファシリティーサービスは、建物の設計・施工段階で作ったBIMデータを、その後の運営・維持管理段階まで使える独自の「BIM-FM Platform(プラットフォーム)」を開発しました。
課題となっていた用語の違いを克服する手段として導入したのは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
データマイニング技術
なのです。
BIM-FM Platformの根幹となった技術は、データマイニングの自動抽出により、同意語の言葉を自動的に割り振ることにより、同じデータとして扱えるようにした同社独自の「BIM-FMシステム」です。
この技術により、BIMモデルをFM(維持管理)用のデータに移行できるほか、3D形状とデータベースを同時に確認できるビューワーや、長期修繕計画やライフサイクルコスト試算の自動化が可能になりました。
また、BIMデータから抽出した建材や設備の部材情報を利用した建物台帳の自動作成やウェブサイトでの閲覧、エネルギー計算なども可能です。
もちろん、3DなのでVR(バーチャル・リアリティー)を利用したリアルなプレゼンテーションもできますね。
BIM-FM Platformは、建物のランニングコスト削減にも効果を発揮します。同社の自社ビルによる試算では、
10%以上の削減余地
があることが算出されたそうです。
また、修繕工事の工事金額の妥当性をざっくり判断することもできますね。
スターツグループのBIM-Platformは、BIMデータをデータマイニング技術と連携させたことで、維持管理業務のビッグデータやIoT(モノのインターネット)、さらにはAI(人工知能)との連携も視野に入ってきました。今後の展開が楽しみです。