管理人のイエイリです。
2016年度から国土交通省が始めた「i-Construction」政策のなかでも、3DデータやICT建機を使って施工するICT土工は、年間1000件以上の工事が発注され、急速に全国に広がっています。
その施工管理には、ドローン(無人機)から現場を写した連続写真のデータを、パソコンで処理し、現場を3Dモデル化する空中写真測量が使われています。
ただ、高精度の3Dモデルを作るためには、地表に標定点(ターゲット)という目印を適切な位置に設置する必要がありました。これが意外と手間ひまがかかる作業だったのです。
そこでトプコンは、画期的なドローンによる測量システムを開発しました。
ナ、ナ、ナ、ナント、
世界で初めて標定点を不要
とした測量方法なのです。
標定点は、撮影時のカメラの位置や姿勢、写真と地表の3次元座標系との対応を求めるために必要なものです。もちろん、適当な位置に置けばよいというものではなく、計測範囲を包み込むように設置します。
また、地形の高いところや低いところにも設置します。そのため、現場によっては、重機作業のじゃまになったり、重機で壊されたりすることもあります。
せっかくICT土工で、「丁張りなし」の施工が可能になったのに、標定点という新たな仮設標識が必要になったというのも皮肉ですね。
そこで、トプコンは標定点の代わりに導入したのは、測量機器の
トータルステーション
でした。
ドローンをトータルステーションで自動追尾し、ドローンが写真を撮るときの位置を高精度に計測する仕組みです。測量機器メーカーらしいアイデアですね。同社によると、世界初のシステムとのことです。
このシステムだと、標定点の設置や撤去を繰り返す作業が不要になるので、現場の生産性はさらにアップしそうですね。
また、斜面崩落現場など標定点を設置するのが難しい場合でも、高精度の現場計測が可能になりそうです。