管理人のイエイリです。
フジタの簡易遠隔操縦装置「ロボQ」は、1999年に同社と国土交通省九州技術事務所が共同開発したオペレーター型のロボットです。
このロボがすごいのは、どこでもある普通の建設機械に座らせるだけで、
ナ、ナ、ナ、ナント、
無人化施工が可能
になるというところです。
地震や火山噴火などの災害時に緊急の無人化施工を行うとき、このロボットさえ現地に運べば、近くで調達できるバックホーなどが無人化施工用の建機に早変わりするので、便利ですね。
このほど、このロボQが18年ぶりに進化して、「ロボQ II」という新バージョンが登場しました。
ロボQ IIは2015年度の国土交通省と経済産業省が主催した「次世代社会インフラ用ロボット開発・導入の推進(災害応急復旧技術)」の現場検証で高い評価を受けました。
現在は長崎県島原振興局の「雲仙地区地域防災対策総合治山工事」で、無人化施工に活用されています。
最近、頻発する自然災害に迅速に対応し、耐久性や汎用性を向上されるため、改良されたのは(1)メンテナンス性の向上、(2)ワンタッチで行える組み立て性、そして(3)異常発生時に自動停止する「安全性」などです。
操縦席に座らせたまま点検を行ったり、建機のレバーにすぐに座らせられたりするのは、一刻を争う災害時にはとても貴重ですね。
フジタは災害協定を結んでいる協力会社の建機オペレーターを全国から募集し、7日間にわたる無人化施工の運転講習会も行いました。今後も定期的に講習会を行い、応急復旧に対応できる人材を積極的に育成していくとのことです。
ロボQ IIは今後もさらに進化していきそうです。同社では高精度な画像伝送システムのほか、操作系の
自律制御やAIの搭載
など、研究開発を進めていくとのことです。
雲仙普賢岳の復旧工事に始まった無人化施工技術は、もはや日本建設界の“お家芸”ともいえるほど、高度化されましたね。これからも世界をリードしていってほしいと願っています。