管理人のイエイリです。
少子高齢化時代に突入した日本の生産年齢人口(15~64歳)は、今後、40~50年にわたって減り続ける見通しです。
人手不足が慢性化している建設業も例外ではありません。日本建設業連合会の推計によると、2014年度に341万人いた技能労働者が、2025年度までに約130万人が減少するとのことです。
そのため、生産性向上分を35万人分見込んでも、90万人の新規入職者(うち20万人は女性)を確保することが必要ということです。
今後は同じ工事でも、今よりずっと少ない人数で施工することを前提に、本格的な対策を考えた方がよさそうですね。
そこで、日建連のウェブサイトではこのほど、画期的なコーナーを開設しました。その名もズバリ
建築省人化事例集
というものなのです。(建築省人化事例集のコーナーはこちら)
つまり、これまで人に頼ってきた建築現場の作業を、いかに少ない人数でこなすかという数々の事例が集められたコーナーなのです。
2018年4月20日現在、108件の事例が掲載されていました。建設フェーズや建物の部位、着眼点などで検索できるようになっていましたので、着眼点の「IT化・高効率化」にチェックを入れて検索すると、18件の事例がヒットし、一覧表として表示されました。
その中には、現場のお知らせ看板を電子化して手書きの往復が削減できる「仮設のデジタルサイネージ」、ロボットで溶接作業を行う「現場上向きロボット溶接」、トータルステーションで鉄骨工事の建て方管理を行う「鉄骨建方3次元計測管理」、3Dデータを使ってバックホーの丁張りレス施工を行う「3Dマシンガイダンス」などが含まれていました。
各事例は1枚のPDFファイルにまとめられており、工法の概要や写真、効果などが簡潔に紹介されています。
また、「機械化」で検索すると、床コンクリートをしきならす「コンクリートならし機」や鉄骨のクレーン作業に使うピースを切断する「鉄骨エレクションピース自動切断機」、クレーンを使わずにガラスやパネルを取り付ける「自走式マニピュレータによるガラス・ボード類の取付」、石膏ボードを高速で張る「内装ボード貼りサービスロボット」などが出てきました。
日建連のサイトでは、今後、「設備省人化事例集」や
お手軽便利なICTツール集
も掲載する予定のようで、準備が進んでいました。今後の展開が楽しみですね。
建設業では何か「お困りごと」が発生すると、つい「それができる人を調達しないと」ということになりがちですが、今後は「ロボットやITで解決できないか」という発想で、建築省人化事例集のようなサイトを探してみると、少しずつ、人に頼らない建設会社に変身できるかもしれませんよ。