管理人のイエイリです。
国土交通省の「i-Construction」などで使われるドローン(無人機)による3D測量は、現場を空撮し、その写真を解析して3Dの点群データ化までを行うのに、これまで丸1日かかっていました。
また、ドローンの飛行データの作成や操縦、撮影などには、専門的なノウハウやスキルも必要でした。
そこでコマツは同社の「スマートコンストラクション」事業の一環として、誰でも毎日、ドローン測量が行える新サービス「EverydayDrone(エデリテイドローン)」を開始することになりました。
その特徴は、現場の3D現況測量データ生成を、
ナ、ナ、ナ、ナント、
約30分で完了
できるというスピード感なのです。(コマツのニュースリリースはこちら)
スピーディーな測量が行える秘密は、自動運航する専用ドローン「Explore1」と、現場で高速にデータ処理が行えるGNSSベースステーション「EdgeBox」にあります。
「Explore1」はDJI社製のドローン「MATRICE100」をもとに、米国のSkycatch社が開発した専用機で、離着陸や飛行ルートの設定が自動的に行えます。さらに設置や位置計測に時間がかかっていた標定点も不要です。
「EdgeBox」は現場に設置するデータ処理機で、3D演算を高速処理するハイスペックなGPUを搭載し、空撮写真からの点群生成や不要物除去などのデータ処理を高速で行います。
また、GNSSアンテナとRTK(リアルタイムキネマティック)を利用して、自らの位置情報を取得することも可能です。1回の充電で12時間稼働するバッテリーで駆動し、現場での使用に耐える耐久性も備えています。
EdgeBoxで作成した3D現況データは、コマツのほかNTTドコモ、SAPジャパン、オプティムが共同で運用する建設用のクラウドプラットフォームである
LANDLOGにアップロード
し、すぐに閲覧することができます。(LANDLOGの詳細はこちら)
さらに、スマートコンストラクションアプリに転送して、前回の測量データと比較して、施工した盛り土や切り土の土量を算出することも可能です。
この「EverydayDrone」サービスは、コマツの子会社であるコマツカスタマーサポートが2018年5月から提供を開始します。また、運営はミライト・テクノロジーズ(本社:大阪市西区)が協業し、ユーザー向けの講習や運航代行、ドローンの機体整備などをサポートする予定です。(ミライト・テクノロジーズのニュースリリースはこちら)
ドローンによって現況地形を3Dデータ化したり、土量計算したりするのは、人間の手作業による部分が多くありましたが、このサービスは現況→3Dデータの流れをかなり自動化してくれそうですね。
ICT建機による施工と相まって、土工のIoT(モノのインターネット)化が、ますます加速しそうです。