管理人のイエイリです。
国土交通省が推進する「i-Construction」の主役であるICT土工では、かなり大型のドローン(無人機)が空撮や測量に使われます。
その反対側に位置するのが、レース用の超小型ドローンです。機体の直径は8~19cm、重量は70~170gと小さく、パイロットはVRゴーグルを着けて操縦します。価格もドローン、コントローラー、VRゴーグルを含めて20万円程度とのことです。(内訳=ドローン 5万円、プロポ 2万円、ヘッドマウントディスプレイ 8万円、備品 2万から3万円)
アイ・ロボティクス(本社:東京都新宿区)は、リックス(本社:福岡市博多区)、日本ドローンレース協会(JDRA)、EUREKAの増田勝彦氏と共同で、人が立ち入れない煙突や管路などの狭隘(きょうあい)部を点検するサービスを開始しました。(詳しくは当ブログ2019年6月27日付けの記事を参照)
先日、その実力をまざまざと見せつけるデモンストレーション飛行が、東京・大手町で行われました。
ナ、ナ、ナ、ナント、
内径20cmのダクト内
を、この超小型ドローンで飛行しながら点検することに成功したのです。
この日、ドローンの操縦を担当したのは、EUREKAの増田勝彦氏と、日本ドローンレース協会の横田淳さんです。
会場をぎっしりとうめた報道陣らの頭上をひと回りした後、慎重に狙いを定めて内径20cmのダクト内に突入。その数秒後にダクトから出てきました。
狭いところで機体を正確にコントロールする技術はもとより、ドローンのプロペラからの空気流が複雑に渦巻く悪条件の中でもダクトにぶつからず、安定した飛行をさせたプロの操縦テクニックには、驚かされました。
さらにドローンは、会場につめかけた
報道陣の足元
をすり抜けて飛行するという、荒技も披露しました。
レース用ドローンは、構造物に少々接触するくらいなら平気で飛行を続け、墜落してもすぐにそこから離陸して飛行を続けられます。また、小型・軽量なので万一、人とぶつかってもけがをする心配がありません。
ただ、1回で飛行できる時間が約3分と短いので、頻繁にバッテリーを交換する必要もあります。
これだけ小さければ、屋根裏や床下、トンネル内などの点検に幅広く使えそうです。また、360度カメラを搭載して飛行しながらバノラマビデオを撮ることもできます。
搭載カメラで撮影した写真や動画から、フォトグラメトリーの技術を使って既存構造物の3Dモデルも作れそうですね。超小型のレース用ドローンの新たな用途が開けそうです。
【訂正】
初出時、一式の価格を2万円程度としていましたが、20万円程度に訂正しました。