ドローン界の“オスプレイ”で広範囲をレーザー測量! パスコら3社が350haを27分で計測成功
2026年1月9日

管理人のイエイリです。

建設現場やインフラ管理、災害対応の現場でドローン(無人機)による測量や計測が行われていますが、一般的なマルチコプター型のドローンは一度に測れる範囲に限界がありました。

一方、飛行機のように飛べる固定翼型のドローンは、広い滑走路が必要なので山岳地帯では使いにくいのが現状です。

ランチャーで発進させ、ネットでキャッチする離着陸方法もありますが、3Dレーザースキャナーなど数百万円もする高価な計測機器を搭載する場合、リスキーな離着陸は避けたいですね。

滑走路がない山岳地帯でも、広範囲をスピーディーに計測したいという、ドローン測量界のお困りごとを解決するため、新たな手法が登場しました。

ナ、ナ、ナ、ナント、

垂直離着陸できる固定翼

ドローンに3Dレーザースキャナーを搭載して、航空測量を行おうというのです。(パスコのプレスリリースはこちら

垂直離着陸が可能な固定翼ドローン「Wingcopter198」の飛行風景。ドローン用3Dスキャナー「Voyager」を搭載している(写真:パスコ)

垂直離着陸が可能な固定翼ドローン「Wingcopter198」の飛行風景。ドローン用3Dスキャナー「Voyager」を搭載している(写真:パスコ)

この機体は、自衛隊などで使われている「オスプレイ」のように、離着陸時は全ローターが上向き、水平飛行時は一部のローターが前向きになる電動式ドローンです。

マルチコプターのように狭い場所から飛び立てる一方、固定翼機のように高速かつ長距離を飛行できる――まさに“いいとこ取り”の機体を使い、広域の3次元レーザー計測を実用レベルで検証しています。

この実証を進めているのは、測量大手のパスコ(本社:東京都目黒区)、伊藤忠商事(本社:東京都港区)、イエロースキャンジャパン(本社:東京都調布市)の3社です。

使用されているドローンは、ドイツのWingcopter GmbH(本社:ドイツ)製のeVTOL型固定翼ドローン「Wingcopter 198」。これに、YellowScan(本社:フランス)製のUAV搭載型レーザースキャナー「Voyager」を搭載しています。

テストフライトでは、約350ヘクタールという広範囲を、わずか27分で計測。高速かつ安定した飛行と、高密度な3次元点群データの取得が確認できました。

テストフライトのコース。対地高度100mで350ha(3.5km2)を27分の飛行時間で計測した(以下の画像:イエロースキャンジャパン)

テストフライトのコース。対地高度100mで350ha(3.5km2)を27分の飛行時間で計測した(以下の画像:イエロースキャンジャパン)

レーザー計測で取得した3次元点群の俯瞰図

レーザー計測で取得した3次元点群の俯瞰図

点群から切り出した断面図

点群から切り出した断面図

垂直離着陸できるおかげで、スペースが限られた山岳地でも安心して使えます。そのため、これまで十分に対応できていなかった

広域で起伏のある現場

や被災地などを広範囲に計測したいというユーザーのニーズに応える新たな市場を切り開きそうです。

特に注目したいのが、Wingcopter 198の安全設計です。複数のローターを備え、水平飛行中に一部が故障しても他のローターが動作する仕組みになっており、業務として使う無人機に欠かせない安全性と信頼性を支えています。

eVTOL型固定翼ドローンとレーザースキャナーの組み合わせによって、「航空測量分野のDX」は確実に一歩前進しそうです。

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