BIMが20回も登場!「鹿島統合報告書2019」に見る近未来の建設業
2019年8月8日

管理人のイエイリです。

鹿島は昨日(2019年8月7日)、恒例の「鹿島統合報告書2019」を発行し、無料で一般公開を始めました。

昨年まで毎年発行されてきた「コーポレートレポート」に含まれていた経営戦略や財務情報などに加え、今回は「マテリアリティ」とよばれる7つの重要課題を特定し、開示するなどさらなる充実を図ったものです。

「鹿島統合報告書2019」の表紙(以下の資料:鹿島)

「鹿島統合報告書2019」の表紙(以下の資料:鹿島)

無料ダウンロードサイト

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7つのマテリアリティ(重要課題)

7つのマテリアリティ(重要課題)

当ブログとしては、この報告書の中でICT(情報通信技術)がいったい、どの程度の重要性で扱われているのかを確かめるため、建設ICTの象徴的なワードである「BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)」という言葉が何回に登場するのかを確かめてみました。

その結果、

ナ、ナ、ナ、ナント、

20回も「BIM」が登場

していることが明らかになったのです。

PDF編集ソフト「いきなりPDF」で「BIM」という言葉を検索した結果

PDF編集ソフト「いきなりPDF」で「BIM」という言葉を検索した結果

いったい、どんなところに「BIM」が登場していたのかをまとめてみました。

まずは「社長メッセージ」のコーナーにある押味至一代表取締役社長の「中核事業の更なる強化とグループ収益力の拡大」という部分に登場するのは「BIM・CIMの技術を基軸に建設事業と開発事業、国内関係会社、海外関係会社が連携」(12ページ)という部分です。

BIMを様々な事業をとりまとめる機能として活用するという考え方は、経営者らしいですね。

また、押味社長は社外取締役である古川洽次氏との対談でも、工事の受注段階で行う「フロントローディング」を行ううえで「BIM化・CIM化を推進していきます」(22ページ)と語っています。

「社長メッセージ」のコーナー

「社長メッセージ」のコーナー

社外取締役の古川洽次氏との対談コーナー

社外取締役の古川洽次氏との対談コーナー

一番、BIMという言葉が集中して登場するのは、やはり代表取締役 副社長執行役員 建築管理本部長の小泉博義氏による事業戦略の「ICT活用による生産性向上」(39ページ)の部分です。

ここでは「BIMデータとAIの融合」、「資機材管理へのBIM活用」、「施工段階によるBIM活用強化」、「BIM技能の認定制度」など9行中に6回も「BIM」が登場します。

代表取締役 副社長執行役員 建築管理本部長の小泉博義氏による「ICTによる生産性向上」●

代表取締役 副社長執行役員 建築管理本部長の小泉博義氏による「ICTによる生産性向上」●

このほか、「中期経営計画におけるR&Dの戦略」(50ページ)では、「生産性の飛躍的向上 人と機械の協働」の部分では、「機械・ロボット・ICT活用による省人化・自動化」とともに「BIM・CIM活用による技術開発推進」が上げられています。

「中期経営計画におけるR&Dの戦略」の筆頭に登場するBIM

「中期経営計画におけるR&Dの戦略」の筆頭に登場するBIM

最後の方にある「主要グループ会社 国内」(75ページ)には、BIM関係者ならおなじみの

株式会社グローバルBIM

も登場します。

主要グループ会社のコーナーには、おなじみグローバルBIMの社名も

主要グループ会社のコーナーには、おなじみグローバルBIMの社名も

日本を代表するスーパーゼネコン、鹿島が満を持して発表した「統合報告書2019」は、今後の建設業界のあり方やビジョンの方向性を示したものと言えます。

このほか、他のキーワードの登場回数を調べてみると「ロボット」が18回、「ICT」が17回、「スマート」が12回、「CIM」が11回、「AI」が5回、そして「IoT」が3回という結果になりました。「i-Construction」はなぜか一度も登場しませんでした。

もはや、建設業の経営や技術開発などテーマの中で、BIMをはじめとするICT関連は、最重要課題と言っても過言ではなさそうですね。

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