AIで床と壁を区別!間取り図をCAD化するサービスのモニター募集中
2019年8月23日

管理人のイエイリです。

中古マンションのリノベーション工事などでは、竣工時の間取り図を設計者がCADソフトを使ってトレースする作業がつきものです。

しかし、紙図面上に描かれた1本1本の線を、「これは壁」「これは床のフローリング」と見分けるのは、これまで人間が判断するしかなかったので、地道に手作業で行うしかありませんでした。

そこでGAテクノロジーズ(本社:東京都港区)は、この作業を自動化するクラウドサービス「BLUEPRINT by RENOSY(ブループリント バイ リノシー)」を開発、この秋からβ版を無償公開することになりました。

紙図面をスキャンして、このシステムにアップロードすると、

ナ、ナ、ナ、ナント、

AIで壁やドアなどを判別

し、DXF形式のCADファイルに変換してくれるのです。

AIを使って間取り図をCAD化する「BLUEPRINT by RENOSY」のサービスイメージ(以下の資料:GAテクノロジーズ)

AIを使って間取り図をCAD化する「BLUEPRINT by RENOSY」のサービスイメージ(以下の資料:GAテクノロジーズ)

スキャンした間取り図をCAD化するまでの流れ

スキャンした間取り図をCAD化するまでの流れ

間取り図に描かれた壁やドアなどの建築要素や、トイレや流し台などの設備要素を、AI(人工知能)のディープラーニング技術によって見分けるのが、このサービスのポイントです。

具体的には、ディープラーニングの「敵対的生成ネットワーク(GAN)」や「Faster R-CNN」といった手法で図面の中から壁やドア・窓を認識し、トレースしていきます。

「BLUEPRINT by RENOSY」によって見取図をCAD化した例

「BLUEPRINT by RENOSY」によって見取図をCAD化した例

流し台と一言で言っても、様々な表現スタイルがある

流し台と一言で言っても、様々な表現スタイルがある

しかし、例えば「流し台」といっても、メーカーや時代によって様々なスタイルで表現されているため、ちょっとやそっとのディープラーニングでは、なかなか変換精度が向上しません。

2019年7月30日現在の平均認識率は、80%とのことです。残りの20%は、人間の手で修正する必要がありますが、作業は一から手作業を行うより、かなり楽になりそうですね。

しかし同社は、さらなる前進を目指しています。図面の認識率を上げるため

テストユーザーを募集

し、より完成度の高いシステムへと進化させようというのです。

テストユーザーになりたい人は、「BLUEPRINT by RENOSY」のサイトにアクセスしてユーザー登録を行います。

その後、スキャンした間取り図をアップすると、登録したメールアドレスに約5分でCAD化されたデータが送られてくるという仕組みです。

「BLUEPRINT by RENOSY」の使い方

「BLUEPRINT by RENOSY」の使い方

「BLUEPRINT by RENOSY」のウェブサイト

「BLUEPRINT by RENOSY」のウェブサイト

このサイトを運営するGAテクノロジーズは、AIを利用した中古不動産流通サイト「RENOSY」や、不動産業務支援ツール「Techシリーズ」などの開発、運営などを行っており、東証マザーズにも上場している注目の企業です。

AIは自分で開発するのは大変ですが、こうした公開サービスを利用するという方法で自社の生産性を上げることもできますね。

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