スマホで撮影→AIで検索→BIMへ!梓設計の「Pic Archi」を試してみた
2020年6月3日

管理人のイエイリです。

レストランやホテルなどで、「これはいいセンスの椅子だな」「この空間を作っている天井材は何だろう」と、建築関係者なら気になることがあるでしょう。

しかし、その経験を次回の設計に生かすのは、空間を記録し、似た建材をカタログで探し、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)モデルを入手するという手間ひまのかかるプロセスが必要なので、なかなか実現しませんね。

そんなあなたに朗報です。梓設計はソフトバンクグループのSBクラウド(本社:東京都港区)と共同で、建材・家具検索アプリ「Pic Archi(ピックアーキ)」を開発し、2020年4月17日に提供を開始しました。

スマートフォンで気になる建材などを撮影するだけで、

ナ、ナ、ナ、ナント、

AIが類似製品を検索

し、ベストマッチの3候補を表示してくれるのです。(梓設計のプレスリリースはこちら

スマホで気になる建材を撮影するとAIで実在する類似製品を検索してくれる「Pic Archi」のイメージ(特記以外の資料:梓設計、SBクラウド)

無料アプリなので、イエイリも早速、iPhoneにインストールして試してみました。ダウンロードサイトは、iPhone用のApp Storeはこちら、Android用のGoogle Playはこちらです。

まずはiPhoneにアプリをインストール

試しにリビングにあるテーブル(カリモク製)を撮影してみました。テーブルの上に物が乗った状態と、片付けた状態とで写真を撮り、判定した結果です。

リビングのテーブルをアプリで検索した結果

アプリが建材を探すデータベースにはカリモクが入っていないので、他社の類似製品が表示されましたが、似たテイストの製品が探し出されました。

続いて、椅子だけを取り出して撮影してみると、結構、似た感じの製品が「ひじ掛け付き」「ひじ掛けなし」の2種類が出てきました。

ひじ掛け付きの方を選ぶと、製品の型番やバリエーション、価格が表示されました。そして製品の紹介サイトに飛んでさらに細かい情報を得ることができました。

椅子だけをアプリで撮影して、類似製品の紹介サイトまでたどり着くことができた

今度は、天井材を撮影してみました。

撮影した天井材(写真:家入龍太)

アプリで撮影して出てきたのは、サンゲツのカーぺットでした。その中で「100%マッチ」の製品を選ぶと「NT712」という型番で、平米7400円、1枚1850円のものでした。

この製品画面の下には「BIM」というボタンが表れましたので、タップしてみると、BIMオブジェクトをダウンロードできる

「Arch-LOG」のサイト

に飛んだではありませんか。

天井材を撮影した後、建材の検索結果から「Arch-LOG」のBIMモデルまでたどり着いた

実物の建材をスマホで撮ってから、BIMモデルに行き着くまでわずか数秒の出来事でした。これだけ手軽に類似製品が見つけられるなら、「心地よい空間」に出会ったその場で、今後の設計に生かす準備ができます。

いろいろ試してみた後、類似製品の候補の中からタップして見たものについては、「閲覧履歴」のページに残っていました。まず、このページに気になる建材の“足あと”を残しておくと、設計のメモ代わりに重宝しそうですね。

詳細を見た建材は、「閲覧履歴」のページに残っていた

AI(人工知能)の機械学習によってモノを認識するためには、これまで大量の“教師データ”を用意する必要があったので大変でした。

ところが今回のシステムでは、Alibaba Cloudが開発した「Image Search」という画像認識の学習済みアルゴリズムを搭載したシステムを使ったため、数点の写真で製品を識別できるとのことです。

機械学習のシステムを開発しようと考えている人には、役に立ちそうですよ。

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