2足+4足ロボ+AIで被災建物調査を自動化へ! ポケット・クエリーズと建築研究所が開発
2026年3月13日

管理人のイエイリです。

地震などの大きな災害が起こると、まず必要になるのが被災建物の調査です。柱や壁に大きな損傷がないか、建物が傾いていないか、使い続けても安全なのか――こうしたことを建築士などの専門家が現地に入って調べ、「この建物は使える」「危険なので立ち入り禁止」といった判断をします。

ところが、災害直後の建物というのは実はかなり危険です。余震で崩れるかもしれませんし、天井や外壁が落ちる可能性もあります。瓦礫が散乱して足場も悪く、調査員自身が危険な環境に入らざるを得ないケースも多いのです。

そこで近年はロボットを使った調査の研究も進んでいますが、これまでは人間が安全な場所にいてロボットを遠隔操作し、カメラ映像を見ながら状況を判断するという「ラジコン型」の使い方でした。

こんな人間頼りだった災害調査の方法も、変わっていきそうです。

ポケット・クエリーズ(本社:東京都新宿区)と建築研究所(所在地茨城県つくば市)は、被災建築物の調査を

ナ、ナ、ナ、ナント、

ロボットとAI

で行う研究を進めているのです。(ポケット・クエリーズのプレスリリースはこちら

2足+4足ロボとAIによる被災現場調査の運用体制(以下の資料、写真:ポケット・クエリーズ)

2足+4足ロボとAIによる被災現場調査の運用体制(以下の資料、写真:ポケット・クエリーズ)

その特徴は、4足歩行ロボットと2足歩行ロボットを組み合わせて使う点です。

4足歩行ロボットは、瓦礫や段差の多い場所でも安定して移動できるのが強みです。被災建物の周囲や内部を移動しながら、カメラやセンサーで現場の状況を取得します。

一方、2足歩行ロボットは人間に近い形をしているため、ドアを開けたり物をつかんだりといった、人間用に作られた設備やレーザー距離計、工具などを扱う作業を受け持ちます。

つまり、移動は四足ロボ、作業は人型ロボという役割分担です。このほかドローンも活用し、初動時に被災地上空からの調査の優先順位付け(スクリーニング)も行います。

さらにこの研究では、ロボットの動きをAIで制御するフィジカルAIの活用も進めています。ラジコンだとロボットの一挙手一投足をすべて人間が操作しないといけませんが、フィジカルAIなら操縦はかなり楽になりそうですね。

ロボットと人間の役割分担。ロボットの操作も「ラジコン」から「自動運転」へと楽になりそうだ

ロボットと人間の役割分担。ロボットの操作も「ラジコン」から「自動運転」へと楽になりそうだ

両者はこのシステムを実用化するため、実証実験を始めました。第1段階は各ロボットの基本動作や通信・データ取得性能の確認、第2段階は実際の被災状況を想定して実用性や性能を検証しました。

ロボットが取得した情報はデジタル空間に再現され、デジタルツインとして建物の状態を分析する研究も進められています。

従来のロボット調査では、ロボットが映像を送ってきて、人が確認して操作を判断するという流れでした。そのため、ロボットが止まっている時間、つまり人間の判断待ちの時間がどうしても発生します。

その点、今回のシステムは

AIで手待ち解消

ができるので、災害調査のスピードアップや効率アップが期待できます。

そして人間は、全体を監視したり重要な判断だけを行い、調査記録は声による指示で自動的作成することを目指しています。

フィジカルAIなどを活用した被災建築物調査技術の実証実験

フィジカルAIなどを活用した被災建築物調査技術の実証実験

この技術が実用化されれば、災害直後の建物調査はかなり変わる可能性があります。危険な建物に人が入る前にロボットが内部を確認できれば、調査員の安全確保につながりますし、多くの建物を短時間で調べることも期待できます。

さらにこの技術は、平常時の建物点検やインフラ点検、さらには建設現場の安全巡視などにも活躍できそうです。

建物調査もいよいよ「AIが現場で働く時代」に入りつつあるのかもしれません。建設分野のDXを後押しする技術として、今後の発展にも期待したいところです。

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