ゼネコン21社が共同開発! AI、タブレットによる配筋チェックシステムが実用段階に
2020年12月16日

管理人のイエイリです。

工事現場の生産性向上に欠かせないのが、鉄筋コンクリート工事で行われる配筋作業のスピードアップです。

特に生コンクリートを打設する前には、膨大な数の鉄筋が設計図通りの間隔、径で組まれているかを短時間でチェックする必要があり、効率化が求められていました。

そこで中堅の大手ゼネコン21社は、2019年4月から「配筋検査システム」の共同開発を進めています。(詳しくは、2020年3月11日の当ブログ記事を参照

その特徴は、配筋の写真を

ナ、ナ、ナ、ナント、

AIと画像解析

によって分析し、鉄筋の径や本数、ピッチなどを算出。設計との照合を行って正誤判定を行うことなのです。(五洋建設のウェブサイトに掲載されたゼネコン21社によるプレスリリースはこちら

十字マーカー付きの配筋を写真撮影(左)するとAIや画像解析によって配筋の判定結果が表示される(右)(以下の資料:ゼネコン21社)

この共同開発では、配筋工事の施工管理を支援する「配筋チェック機能」と、配筋検査の業務効率を高める「配筋検査機能」の2つの機能を備えた統合システムの実現を目指しています。

今回、前半の「配筋チェック機能」の開発にめどが立ったということが発表されました。

配筋検査システムの実装イメージ図。今回は前半の「配筋チェック」機能までのめどが立った

現場ではタブレット端末でチェック位置を指定した後、「十字マーカー」を配置して配筋の写真を複数枚撮影し、写真データを処理サーバーに送信します。

するとサーバーでは、AIのディープラーニング技術や画像処理を用いて、撮影された配筋の径や本数、ピッチなどを算出します。

そして算出結果を設計データと照合し、管理値内に収まっているかどうかの正誤判定を行う仕組みです。

「配筋チェック機能」で現場の配筋状況と設計データを照合する仕組み

施工管理者はタブレット端末上に表示された配筋写真と算出値、判定結果を確認するとともに、システムが指摘した鉄筋を目視で再確認します。

人とシステムのダブルチェックにより、

ヒューマンエラーの防止

にも役立ちます。

このシステムはクラウドサーバーで動くため、十字マーカーとタブレット端末があればすぐに使えるのが強みです。

配筋作業後にすぐチェックできるので、配筋に不具合があればすぐに手直しが行えます。

今回の検証では、様々な施工環境の現場で試行した結果、迅速かつ正確なチェック作業が行えることが立ちました。

今後は参加各社の現場で試行を繰り返しながら、システムの改良や改善を進め、利用範囲の拡大や様々な状況への対応も進めていきます。

そして後半部分の3D配筋形状による「配筋検査機能」も、来年度早々には現場での試行を開始する予定となっています。

AIによるチェックと、現場での目視確認がリアルタイムに行えるので、施工管理者も安心して使えるシステムになりそうですね。21社の現場状況がシステムに反映されることで、より汎用性も高まりそうです。

(Visited 1 times, 1 visits today)

Translate »