管理人のイエイリです。
工事現場の生産性向上に欠かせないのが、鉄筋コンクリート工事で行われる配筋作業のスピードアップです。
特に生コンクリートを打設する前には、膨大な数の鉄筋が設計図通りの間隔、径で組まれているかを短時間でチェックする必要があり、効率化が求められていました。
そこで中堅の大手ゼネコン21社は、2019年4月から「配筋検査システム」の共同開発を進めています。(詳しくは、2020年3月11日の当ブログ記事を参照)
その特徴は、配筋の写真を
ナ、ナ、ナ、ナント、
AIと画像解析
によって分析し、鉄筋の径や本数、ピッチなどを算出。設計との照合を行って正誤判定を行うことなのです。(五洋建設のウェブサイトに掲載されたゼネコン21社によるプレスリリースはこちら)
この共同開発では、配筋工事の施工管理を支援する「配筋チェック機能」と、配筋検査の業務効率を高める「配筋検査機能」の2つの機能を備えた統合システムの実現を目指しています。
今回、前半の「配筋チェック機能」の開発にめどが立ったということが発表されました。
現場ではタブレット端末でチェック位置を指定した後、「十字マーカー」を配置して配筋の写真を複数枚撮影し、写真データを処理サーバーに送信します。
するとサーバーでは、AIのディープラーニング技術や画像処理を用いて、撮影された配筋の径や本数、ピッチなどを算出します。
そして算出結果を設計データと照合し、管理値内に収まっているかどうかの正誤判定を行う仕組みです。
施工管理者はタブレット端末上に表示された配筋写真と算出値、判定結果を確認するとともに、システムが指摘した鉄筋を目視で再確認します。
人とシステムのダブルチェックにより、
ヒューマンエラーの防止
にも役立ちます。
このシステムはクラウドサーバーで動くため、十字マーカーとタブレット端末があればすぐに使えるのが強みです。
配筋作業後にすぐチェックできるので、配筋に不具合があればすぐに手直しが行えます。
今回の検証では、様々な施工環境の現場で試行した結果、迅速かつ正確なチェック作業が行えることが立ちました。
今後は参加各社の現場で試行を繰り返しながら、システムの改良や改善を進め、利用範囲の拡大や様々な状況への対応も進めていきます。
そして後半部分の3D配筋形状による「配筋検査機能」も、来年度早々には現場での試行を開始する予定となっています。
AIによるチェックと、現場での目視確認がリアルタイムに行えるので、施工管理者も安心して使えるシステムになりそうですね。21社の現場状況がシステムに反映されることで、より汎用性も高まりそうです。