管理人のイエイリです。
日立建機の新型油圧ショベル「ZAXIS-7」シリーズのICT(情報通信技術)建機には、マシンコントロールシステムのほか、建機の前方・周囲を撮影するカメラ、そして施工録画機能が搭載されています。
その映像は、運転席に搭載したスマートフォンなどでいつでも見ることができ、死角となっていた建機周辺部分を確認しながら、安全に作業が行えるようになっています。
同社はこのほど、このカメラ機能を拡張するオプション製品「Solution Linkage Work Viewer Cloud」を開発し、2022年4月から日本国内向けに提供することになりました。
その機能とは、車載カメラの映像を、
ナ、ナ、ナ、ナント、
クラウドに送信、録画
し、いつでもどこでも、再生できるようにするものなのです。(日立建機のプレスリリースはこちら)
このオプションは、標準搭載されている施工録画システム「Solution Linkage Work Viewer」に、クラウドと通信する専用通信ユニットを後付けするものです。
油圧ショベルに録画した車体前方や周囲の映像を、LTE回線でクラウドにアップロードし、録画することでパソコンやタブレットなどでどこからでも映像をリモート再生できます。
録画映像は、15倍速のタイムラプス動画と1分間のリアルタイム動画の2種類で見られます。
タイムラプス動画は、1日8時間の作業を約30分で振り返ることができ、現場にいない工事関係者も、短時間で正確に施工の進捗状況を確認できます。
リアルタイム動画は、施工中にトラブルが発生した場合、遠隔地にいる工事関係者がピンポイントで現場の状況を把握し、指示を出すときなどに役立ちます。
これらの動画は、重機の位置とともに表示されるので、ダンプトラックや建機、人員の手配などをリモートで行うことにも役立ちます。
このクラウドサービスには、重機との接触事故を防止するのに役立つ運転支援システム「AERIAL ANGLE STEPⅣ」や「Solution Linkage Alert Viewer」も接続できます。(2022年4月にサービス開始)
重機周辺に人や物体が接近すると、その度合いに応じて警報の発報やエンジン回転の低減などを自動的に行い、管理者はクラウド経由でリアルタイムに
物体の検知位置や映像
を確認できるのです。
警報が発報された位置を施工図面と重ねて分析し、現場内で危険度が高い部分を「ヒートマップ」で表示することもできます。
建設業では、高所からの落下に続き、重機との接触が重大事故の大きな原因になっています。これまでは人間が「ヒヤリハット」を記録、分析していましたが、これをICTシステムに行わせることで、より精度の高い安全管理が行えそうですね。