墨出しロボ「SumiROBO」の驚異のプロット精度! 二重書きした文字もピタリと重なる
2022年3月30日

管理人のイエイリです。

人手不足に悩む建設業の助っ人として、「買って使えるロボット」が注目を集めています。

日立チャネルソリューションズ(本社:東京都品川区)が開発し、千代田測器(本社:東京都台東区)が販売する墨出しロボット「SumiROBO」もその一つ。CAD図面に従って、現場の床面に設備やドアなどの取り付け位置を、自動墨出ししてくれるありがたいロボットなのです。

自動墨出しロボット「SumiROBO」(以下の写真:家入龍太)

自動墨出しロボット「SumiROBO」(以下の写真:家入龍太)

タブレット端末に入力したCAD図面に従って自動墨出しを行う

タブレット端末に入力したCAD図面に従って自動墨出しを行う

トプコン本社にある「BuildTech」で、墨出し作業のデモを行う「SumiROBO」

トプコン本社にある「BuildTech」で、墨出し作業のデモを行う「SumiROBO」

ではいったい、このロボットがどれくらいの精度なのでしょうか。昨日(2022年3月29日)、東京・板橋のトプコン本社にある建築施工ソリューションセンター「BuildTech」で、SumiROBOのデモンストレーションを見せてもらいました。

コンクリート床を汚さないように、墨出し位置には紙が張ってあります。タブレットから指示を出すと、SumiROBOが動き出しました。音は比較的、静かです。

まず、2カ所の墨出しを行いました。その一つの点について精度を検証するため、通り芯からの距離を測定したところ、

ナ、ナ、ナ、ナント、

ミリ単位でピッタリ

と合っていたのです。

墨出し用の十字線などを描くところ。銀行のATMで使われる高信頼性のインクジェットプリント機構を採用している

墨出し用の十字線などを描くところ。銀行のATMで使われる高信頼性のインクジェットプリント機構を採用している

墨出し位置のX座標は通り芯から「547mm」

墨出し位置のX座標は通り芯から「547mm」

メジャーで測るとミリ単位でピッタリ合っていた

メジャーで測るとミリ単位でピッタリ合っていた

墨出しは重要な仕事です。ロボットに任せておいて、誤差が大きかったりしたら信用されないと、開発スタッフは床の勾配も考慮して補正するなど、精度には特に注意して開発したとのことでした。

また、文字などを床面に描く方法は、インクジェットプリンターと同じ機構を採用しています。

一般のインクジェットプリンターはノズルが詰まって途中で印字がかすれたりすることもありますが、SumiROBOには銀行の現金自動預払機(ATM)などにも使われる、高信頼性タイプのものを使用しているので、墨出し中に印字できなくなるといったトラブルの心配はありません。

一度、墨出しした後、SumiROBOをもとの位置に戻し、再度、同じ場所に墨出しを行いました。1回目に墨出しした紙はそのままです。

SumiROBOをもとの位置に戻すところ。側面にキャスターが付いているので、簡単に移動できる

SumiROBOをもとの位置に戻すところ。側面にキャスターが付いているので、簡単に移動できる

つまり、1回目に続き、2回目の墨出しを「重ね描き」してみたのです。

その結果、驚くべきことに、

十字線や文字がピッタリ

重なり、ずれは全くと言っていいほどありませんでした。

1回目(左)に墨出しを行った紙をそのままにして、2回目(右)の墨出しを重ねて行ったところ。十字線や文字がピッタリ重なっている

1回目(左)に墨出しを行った紙をそのままにして、2回目(右)の墨出しを重ねて行ったところ。十字線や文字がピッタリ重なっている

これだけの精度が出せると、手のブレや目視する位置による視差などもないので、人間よりも正確な墨出しができそうですね。

SumiROBOについては、近く、サクセスストーリーのコーナーでご紹介する予定ですので、お楽しみに!

(Visited 1 times, 1 visits today)

Translate »