リコーが360度カメラ「THETA X」を新発売! タッチパネル、GNSS搭載でスマホっぽくなった
2022年3月31日

管理人のイエイリです。

リコーの360度カメラ「THETA(シータ)」シリーズは、コンシューマー向け製品として2013年に登場しましたが、ここ数年、建設業や不動産業で仕事ツールとしての活用が急速に増えています。

その結果、2019年には高画質、大容量にこだわった「THETA Z1」が発売されたり(2021年3月26日付けの当ブログを参照)、クラウド上で360度写真を共有し、施工管理が行える「RICOH360 Projects」のサービスが始まったり(2020年11月17日付けの当ブログを参照)と、プロユーザー向けの製品・サービスへのシフトが行われてきました。

360度カメラ「RICOH THETA」シリーズの歴史(特記以外の写真、資料:リコー)

360度カメラ「RICOH THETA」シリーズの歴史(特記以外の写真、資料:リコー)

このTHETAシリーズに、新製品「THETA X」が投入されることになり、昨日(2022年3月30日)、オンライン記者会見が開かれました。

オンライン記者会見に登壇したリコー リコーフューチャーズビジネスユニット Smart Vision事業センター 所長の大谷渉氏(右)と同・副所長の藤木仁氏(左)

オンライン記者会見に登壇したリコー リコーフューチャーズビジネスユニット Smart Vision事業センター 所長の大谷渉氏(右)と同・副所長の藤木仁氏(左)

JR大宮駅のホームでオンライン記者会見に参加したイエイリ(写真:家入龍太)

JR大宮駅のホームでオンライン記者会見に参加したイエイリ(写真:家入龍太)

JR大宮駅のホームでオンライン会見に接続し、見守っていたところ、お披露目された「THETA X」には、

ナ、ナ、ナ、ナント、

大型タッチパネル

が搭載されていたのです。

お披露目された「THETA X」。2.25型、360×640ドットの大型タッチパネルが搭載され、スマホがなくても、様々な設定や撮影がTHETA Xだけで行えるようになった

お披露目された「THETA X」。2.25型、360×640ドットの大型タッチパネルが搭載され、スマホがなくても、様々な設定や撮影がTHETA Xだけで行えるようになった

これまでのTHETAには、モニターは搭載されていなかったので、撮影した写真を見たり、細かい設定を行ったりするためには、スマートフォンにBluetoothで接続し、スマホとセットで使う必要がありました。

今回、本体にタッチパネルが搭載されたことで、THETAだけで写真の確認やセルフタイマーの設定などを行えるようになり、操作性は格段に進化しました。

建設業のユーザーにとってありがたいのは、GNSS(全地球測位システム)受信器が内蔵されたことです。グローバル座標系で360度写真を様々なデータと組み合わせて使うのに便利になりそうですね。

また、バッテリーやメモリーカードも交換できるようになったので、長時間の使用にも対応できます。

GNSS受信器を内蔵しているので撮影位置の記録も簡単になった

GNSS受信器を内蔵しているので撮影位置の記録も簡単になった

バッテリーやメモリーカードも交換できるようになった

バッテリーやメモリーカードも交換できるようになった

画質についてもレンズなどの設計が一新され、約4800万画素相当のセンサーを2個搭載し、高精細な「11K」と効率的に撮れる「5.5K」の静止画と、「5.7K」サイズの360度動画撮影が可能です。

日本国内での発売は5月中旬で、気になるお値段は約11万円とのこと。

THETA X(中央)の画質は、エントリー機種の「SC2」(左)と最高画質の「Z1」(右)の中間に位置するとのこと

THETA X(中央)の画質は、エントリー機種の「SC2」(左)と最高画質の「Z1」(右)の中間に位置するとのこと

リコーでは今後も、THETAシリーズのAPIを使って、クラウドやAI(人工知能)と組み合わせた機能やサービスの開発を行っていく予定です。

例えば、クラウドサービスの「RICOH360 Projects」と連携して、現場で撮影した写真を

図面上に自動配置

するオートマッピング機能が、2022年6月にもベータ版として提供される予定です。

室内での撮影位置をどのように把握するのかが、興味深いところです。

オンライン会見でこの点について質問したところ、「当社ではフォトグラメトリーやSLAMの技術などを導入している。どんな機能になるのかはお楽しみ」(大谷氏)とのことでした。

このほか、現場の状況を遠隔地からリアルタイムに把握できるタイムラプス/ライブ映像機能なども提供される予定です。さらに、工事現場を記録するために、ヘルメット装着型のウェアラブルカメラ「Wear(仮称)」も開発中とのことです。

撮影位置によって図面上に360度写真を、自動配置するオートマッピング機能のイメージ

撮影位置によって図面上に360度写真を、自動配置するオートマッピング機能のイメージ

工事現場を記録するヘルメット装着型のウェアラブルカメラ「Wear(仮称)」

工事現場を記録するヘルメット装着型のウェアラブルカメラ「Wear(仮称)」

360度写真界で、リコーはハード、ソフト、クラウドサービスの3つを展開しており、アップルのiPhoneのように「SaaS Plus a Box」のビジネスモデルを目指しています。つまり、ハードウエアとクラウドでのサブスクリプションの両方を販売するビジネスです。

リコーはAIの開発でも潜在力がありますですので、今後、360度写真とAI組み合わせた新サービス・新機能が続々と登場してくることも期待できそうですね。

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