管理人のイエイリです。
インフォマティクス(本社:神奈川県川崎市)はこれまで、MR(複合現実)デバイス「Microsoft HoloLens2」などを、建設分野で活用する「GyroEye」シリーズの様々なソリューションを開発してきました。
例えば、建築現場での実寸大図面を表示や、設備工事の墨出し、山岳トンネル工事での地質の見える化やひび割れの記録、広大な造成工事の施工管理など、枚挙にいとまがありません。
同社はこのほど、2024年問題などに対応して「GyroEyeによるMR検査システム」を開発し、北海電気工事(本社:札幌市白石区)と施工検査のDX(デジタル・トランスフォーメーション)に向けた実証実験を行いました。
HoloLens2を装着した施工検査者の目には、現場に取り付けられたコンセントなどの現物設備と、チェック用のリストが、
ナ、ナ、ナ、ナント、
重なって見える
ので、見落としや取り違えミスが起こりにくいのが特長なのです。(インフォマティクスのプレスリリースはこちら)
チェックリストへの記入は、検査者が手でジェスチャーすることで行えるため、両手が“ハンズフリー”で行えます。
HoloLens2に表示される検査対象物の位置やチェックリストは、CAD図面のDWGデータから作られます。
現場でリストにない検査対象物を見つけた場合は、HoloLens2上で任意の場所に目印となる「スフィア」を設置して、チェックリストに追加することも可能です。
また、異常や修正事項などをテキストで入力したいときは、音声入力でコメントを記録できます。
検査が進んでいくと、検査一覧表に
検査の進ちょく度
が表示されるため、予定時間内に作業を終えるために役立ちます。
検査結果や現場で撮影した写真は、2D施工図と連動したチェックリストにひもづけられます。そのため、写真整理の必要もなくなりました。
インフォマティクスはこれまで、建設現場におけるMR活用の基礎技術を地道に開発してきました。今回のMR施工検査システムは、日々の施工管理や維持管理の時間短縮や生産性向上を目指したものと言えます。
現場でのHoloLensシリーズ活用の敷居が低くなりそうですね。