管理人のイエイリです。
工事現場を効率的に運営するためには、現場の稼働状況を常時、把握して「ムリ・ムラ・ムダ」はないかを確かめながら、PDCAを回していくことが求められます。
その一方で、現場の情報を収集するために、工務や労務、経営など多数の関係者が現場に出入りしていると、「移動のムダ」が発生し、生産性向上のネックにもなりかねません。
こうしたジレンマを解消しようと、大林組は現場に行かなくても、遠隔から状況を確認できる「4D施工管理支援システム」を開発しました。
ナ、ナ、ナ、ナント、
BIMと点群データ
を重ね合わせることで、建築物の施工状況を、一目で分かるようにしたのです。
このシステムは、北海道北広島市で施工中の「エスコンフィールドHOKAIDO」の現場で、実証実験が行われています。
鉄骨などの構造物はBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)で現在の進ちょくを表し、周囲の地盤の起伏などはドローン(無人機)で取得した点群データで現在の状況を表しています。
この画面をよく見ると、様々なデータが表示されているのが分かります。例えば、現在の風速や風向、濁水処理プラントの濁度やPH、そしてカメラ映像です。
こうして収集された現場のデータは蓄積され、時系列的に表示することもできます。
さらには、顔認証機能付きの入退場システムによって、本日の出面(作業員の人数)が、会社別、判別に分けてリアルタイムに集計されているのです。
実証実験では各クレーンに無線情報収集システムを搭載し、GNSS(全地球測位システム)で位置や向きのほか、鉄骨の吊り荷重など、クレーンの稼働状況をリアルタイムに取得しています。
取得した情報から、吊り荷重や位置をBIMモデルの設計重量や位置を付き合わせることで、
鉄骨の設置時期
を推測し、出来高を算出するなど、管理業務の自動化にも活用しています。
これからの施工管理は、こうした現場のデジタルツインを構築することで、様々な管理業務のテレワーク化や管理の自動化、さらにはデータ分析による「ムリ・ムダ・ムラ」の発見・改善でいっそう、PDCAが進みますね。
その中で、省人化や省力化を実現できる工法やロボット、AI(人工知能)などの導入が進んでいきそうです。