清水建設、シャープの3眼鉄筋検査システムが製品化へ! オープンイノベーションの国交大臣賞も受賞
2022年3月2日

管理人のイエイリです。

工事現場で欠かせないのが、コンクリート打設前に行う鉄筋の配筋検査です。

これまでは、工事写真が施工の“証拠品”だったので、鉄筋のピッチなどがはっきり写るように、鉄筋にマーカーを取り付けたり、検尺ロッドを添えたりしたうえ、黒板を入れてカメラで撮影するという、数人かがりの作業でした。

これまでの配筋検査のイメージ(以下の資料:清水建設、シャープ)

この作業を省力化するため、清水建設シャープは3眼カメラを使った「リアルタイム自動配筋検査システム」を開発しました。

配筋状況を3方向から撮影し、奥行きも含めた鉄筋の3Dデータを抽出・分析する作業をわずか7秒で行えるものです。(詳細は2020年3月30日付の当ブログ記事を参照

「リアルタイム自動配筋検査システム」の使用状況

その結果、配筋検査の所要時間は、

ナ、ナ、ナ、ナント、

約75%も軽減

されたのです。

このシステムが2年前に開発されたころは、タブレットPCにカメラなど様々な機器やケーブルが外付けされ、ゴツゴツした感じでした。

その後、両社は、建設関連機器のレンタルなどを行うカナモト(本社:北海道札幌市)と共同で、このシステムを2022年度上半期にも事業化するため、製品開発を進めてきました。その結果、機器の外観もかなりスマートなものになってきました。

開発当初はタブレットPCにカメラなどが外付けされ、ゴツゴツした感じだった

事業化時の製品イメージ。デザインや色は現在検討中とのこと

この配管検査システムは2021年6月以降、土木学会賞の「技術開発賞」をはじめ、様々な賞を受けてきましたが、このほど内閣府が主催する「第4回 日本オープンイノベーション大賞」で、

国土交通大臣賞を受賞

を受賞し、2022年2月22日に表彰式が行われました。(国土交通省のプレスリリースはこちら

国交省は、このシステムがBIM/CIMにも接続できる発展性や、配筋検査の遠隔臨場による発注者側の生産性向上、そして安全性の向上も評価しています。

システムを利用した配筋検査の遠隔臨場イメージ

●「リアルタイム自動配筋検査システム」の受賞一覧

受賞日 受賞名 主催
2021年 6月11日 令和2年度 土木学会賞『技術開発賞』 (公社)土木学会
6月17日 令和3年度 日本建設機械施工大賞『最優秀賞』 (一社)日本建設機械施工協会
7月12日 2021年度 エンジニアリング協会『功労者賞』 (一財)エンジニアリング協会
9月28日 第23回 国土技術開発賞『入賞』 (一財)国土技術研究センター、(一財)沿岸技術研究センター
10月12日 令和3年度 田中賞選考委員会 かけはし賞 (公社)土木学会田中賞選考委員会
2022年 2月22日 第4回 日本オープンイノベーション大賞『国土交通大臣賞』 内閣府

現場のニーズを知りつくした建設会社が主導して開発したシステムが、製品化されて誰でも「買って使える」ようになることで、建設DXも中小の建設業にも身近なものになっていきそうですね。

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