iPhoneとRTK-GNSS受信器で低コスト墨出し! オプティムがGeo Scanに機能追加
2022年3月3日

管理人のイエイリです。

iPhoneやiPadの上位機種には、「LiDAR(ライダー)」という3D点群計測機能が搭載されています。

オプティムが開発する「OPTiM Geo Scan」というアプリは、このLiDAR機能とRTK-GNSS受信器を使うことにより、土木工事や地図作成などで使われる、公共座標系による高精度の点群計測を行うものです。(詳しくは、2021年6月16日付けの当ブログ記事を参照

iPhoneやiPadで点群計測を行う「OPTiM Geo Scan」の画面(特記以外の写真、資料:オプティム)

盛り土を点群計測したイメージ。四隅にRTK-GNSS受信器を順次、置きながら点群に写し込むことで点群データを公共座標系にひも付け、補正によって高精度化する

公共座標系とiPhoneなどで計測した点群データを合わせるRTK GNSS受信器「RWP」(写真:ビズステーション)

昨日(2022年3月2日)、オプティムはこのアプリに新機能を追加したことを発表しました。このRTK-GNSS受信器とiPhone、iPadを使って、

ナ、ナ、ナ、ナント、

公共座標系による墨出し

が行えるようにしたのです。(オプティムのプレスリリースはこちら

あらかじめ杭打ちなどの墨出し箇所のデータをiPhoneに入れておき、iPhoneとRTK-GNSS受信器を持って現場を歩きます。

すると、iPhoneの画面には地図上に自分の位置と目的の墨出し位置が表示されます。

目的地点に近づくと、画面は「接近モード」に変わり、さらに精密に位置を誘導し、最後は「ピピッ、ピピッ、ピー」と音で墨出し点に到達したことを知らせてくれます。

iPhoneによる墨出し作業時の画面と作業イメージ

スマホを使ったRTK-GNSSによる墨出しはこれまで、数百万円程度のGNSS測量器が必要でしたが、この方法だと点群計測用のRTK-GNSS受信器をそのまま使えます。

オプティムの調査結果によると、約50カ所の杭打ち作業の墨出しを、トータルステーションを使って行うと2~3人で丸1日かかります。

その点、このアプリだと1人で半日の時間でできるので、

作業時間は90%削減

されるのです。

このほか、RTK-GNSS受信器を地上に置いて、その座標をiPhoneで“ワンタップ測量”することもできます。その工数も、トータルステーションに比べて97%減になるとのことです。

オプティムは、これらの墨出し機能や測量機能を、無料オプションとして提供します。

iPhoneによる点群計測や測量・墨出しは、ますます現場に溶け込んでいきそうですね。

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