住友重機が鉄にくっつくロボットを開発! 凹凸、曲面、角も自由自在に移動
2022年9月5日

管理人のイエイリです。

住友重機械工業はこのほど、鋼構造物用の高所作業ロボットの開発に成功しました。

球形の金属製車輪を2つずつ付けた台車を合体させたような形をしています。

鋼構造用の高所作業ロボット(以下の写真、資料:住友重機械工業)

鋼構造用の高所作業ロボット(以下の写真、資料:住友重機械工業)

これらの車輪の内側には、強力なマグネットが仕込んであり、

ナ、ナ、ナ、ナント、

鋼構造物にくっついて

自由自在に移動できるのです。(住友重機械工業のプレスリリースはこちら

球形車輪の内部には、半円状の強力マグネットが仕込んであり、鋼構造物に車輪を押しつける

球形車輪の内部には、半円状の強力マグネットが仕込んであり、鋼構造物に車輪を押しつける

このマグネットは、車輪の内部で鋼構造物と接している方向に向くので、常にマグネットの磁力を最大限に生かすことができます。

また、本体がねじれるように変形するので、鋼板が凸凹や曲面、角であっても、4つの車輪がしっかりと構造物に吸い付き、垂直、背面など自由自在に移動できます。

垂直の壁を上り始めたところ。前輪のマグネットは壁にくっつく方法を向いている

垂直の壁を上り始めたところ。前輪のマグネットは壁にくっつく方法を向いている

壁面を上昇中。マグネットは両方とも壁の方向を向いている

壁面を上昇中。マグネットは両方とも壁の方向を向いている

さらに“背面走行”も可能だ

さらに“背面走行”も可能だ

様々な鋼構造物の表面形状に応じて、車輪内部のマグネットが動く

様々な鋼構造物の表面形状に応じて、車輪内部のマグネットが動く

一度、くっついてしまえば、こっちのものです。ロボットにバーナーや溶接機、位置決め機構などを搭載することで、

鋼板の切断や溶接

などの精密な作業がどこでも可能になります。

バーナーで丸形鋼管を切断しているところ

バーナーで丸形鋼管を切断しているところ

溶接の開先部に精密な位置決めを行っているところ
溶接の開先部に精密な位置決めを行っているところ

以前から船舶やプラント設備などの大型構造物の工場では、磁力で壁面に吸着する車輪型ロボットがよく使われてきました。しかし、主に平面上の走行に限定されていたため、使える場所が限られてきました。

そこでマグネット内蔵の車輪や、ねじれる本体という新たな開発により、ロボットの可動範囲を大幅に広げたのです。

今回の開発は、同社の「チャレンジ制度」に基づき、社員が自発的に応募した「重工製造現場向け作業ロボットの開発」によるものです。

このロボットには、鋼構造物の“足場レス施工”を実現するためのベースマシンとして、爆発的にヒットする可能性を感じた次第です。

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