AIと3Dモデルで“切り盛りDX”! EARTHBRAINが最適計画クラウドを発売
2022年9月2日

管理人のイエイリです。

世の中には、最適な答えがなかなか見つからない難問が多数ありますが、道路や造成工事などでおなじみの切り土・盛り土もその一つです。

例えば、下の図のような現場に道路を通すとき、ある場所で切り土した土を、他の部分で盛り土する、という作業を最短の工期で行う計画を作るのは、至難の業です。

なぜなら、できるだけ運土量が少なくなるように切り土・盛り土の組み合わせや、施工中の勾配の変化、ダンプトラックの待ち行列・すれ違い、そして最適な数の重機など、天文学的な数の検討が必要だからです。

現況地形(上)から切り土・盛り土して道路を造る(下)とき、最短工期で行う計画づくりは非常に難しい(以下の資料:EARTHBRAIN)

現況地形(上)から切り土・盛り土して道路を造る(下)とき、最短工期で行う計画づくりは非常に難しい(以下の資料:EARTHBRAIN)

EARTHBRAIN(本社:東京都港区)は昨日(2022年9月1日)、この難問を短時間で解決するため、「Smart Construction Simulation」というクラウドサービスを発売しました。

切り土・盛り土を行う現場全体を3Dモデル化し、

ナ、ナ、ナ、ナント、

AIで1兆通りのパターン

から、最適解を瞬時に見つけ出すシステムなのです。(EARTHBRAINのプレスリリースはこちら

「Smart Construction Simulation」の画面イメージ。切り土・盛り土を行うエリアを自動的に設定し、AIで最適な工程を作成する

「Smart Construction Simulation」の画面イメージ。切り土・盛り土を行うエリアを自動的に設定し、AIで最適な工程を作成する

このサービスは、クラウド上に現況地形と完成時の3Dモデルを登録し、工期や重機の台数などの条件を入力すると、最適な施工手順を作成してくれるものです。

生産性を最大化するため、運搬土量が最小になるように切り土・盛り土のエリアを自動的に設定します。

起伏に富んだもとの地形

起伏に富んだもとの地形

その後、AI(人工知能)によって最適なエリア分割や、施工中の地形や勾配の変化、最短ルートを考慮した最適な施工手順、重機のすれ違いや積み込み待ちなどを考慮して、最短工期の施工計画に仕上げていきます。

その結果は、工程表と連動したグラフやアニメーションでわかりやすく表示され、地形の変化や建機の動き、作業量を視覚的に確認できます。

運搬土量が最小になるように切り土・盛り土のエリアを設定する

運搬土量が最小になるように切り土・盛り土のエリアを設定する

しかし、実際の施工では、予定外の人や車両の進入などで交通誘導員がストップをかけるなど、予定通りにいかないこともあります。

その結果、生じた重機の稼働率の悪化なども、データとして確認でき、以後の施工計画の改良に生かすことができます。

重機ごとの稼働率を予定・実際で比較することもできる

重機ごとの稼働率を予定・実際で比較することもできる

このシステムのおかげで、これまで数カ月もかかっていた施工計画の作成を

わずか1日で

行うことができます。

途中で工程の順序が変わった時も、バーチャートをドラッグして移動させるだけで、自動的に再計画がされるので、いつでもその時点の最適解が求められます。

各工程における「Smart Construction Simulation」の利用イメージ

各工程における「Smart Construction Simulation」の利用イメージ

気になるお値段ですが、サブスクリプション方式となっており、EARTHBRAIN直営販売価格の場合は1ユーザー当たり月額18万円です。

同社は、このサービス開始を記念して、2023年3月31日までは現場数に限りなく、無料で使えるキャンペーンを行っています。気になる方は、このチャンスに試してみてはいかがでしょうか。

BIM/CIMや点群による3D計測が普及し、現場をデジタルツイン化(デジタルの双子)として管理することが可能になってきた最近は、ソフトウェアによって工程管理を精密に行う取り組みが増えているように感じます。

巨大な現場の場合、1日でも早く工事が終わると、億万単位でのコストが節約できるので、工程管理の精密化はこれからの建設DXのテーマになりそうですね。

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