大林組が天井クレーンを自動・遠隔操作化! コンクリプラント管理の生産性も2倍に
2022年10月6日

管理人のイエイリです。

ダム工事の現場などに設置されるコンクリートプラントでは、砂や砂利など複数の骨材をストックし、必要に応じて「ホッパー」に移動するために、天井クレーンが使われています。

これまでは、人間のオペレーターがホッパーの骨材の減り具合を見ながらリモコンを操作して、「骨材ビン」と呼ばれる貯蔵場からホッパーへと、骨材をくみ上げていました。

コンクリートプラントの建屋。右側の「ホッパー」の骨材が減ると、天井クレーンで骨材をくみ上げ、左側の「骨材ビン」に移動させる(以下の写真、資料:大林組)

コンクリートプラントの建屋。右側の「ホッパー」の骨材が減ると、天井クレーンで骨材をくみ上げ、左側の「骨材ビン」に移動させる(以下の写真、資料:大林組)

しかし、大林組のある現場に設置された天井クレーンには、

ナ、ナ、ナ、ナント、

自動運転システム

が後付けされ、自動的に骨材の補給が行えるようになっているのです。

天井クレーン自動運転システムの概要図

天井クレーン自動運転システムの概要図

各ホッパーの上には、深さ方向の距離を測る「デプスカメラ」が付いており、骨材の残量を常時、把握しています。

ホッパー内の骨材が減ってきたら、天井クレーンが自動的に動き出し、骨材ビンの骨材をクラムシェルでくみ上げて、ホッパーに下ろす作業を行います。

天井クレーンには、レーザースキャナーを後付けして、クラムシェルを吊る「ホイスト」の位置を把握します。またホイスト移動中は加速や減速を自動制御して、揺れを最小限に抑えます。

デプスカメラで撮影したホッパー内の砂や砂利の量。50%くらいに減ってきたことがわかる

デプスカメラで撮影したホッパー内の砂や砂利の量。50%くらいに減ってきたことがわかる

天井クレーンで骨材を補給した後のホッパー内。砂や砂利が100%程度に増えたことがわかる

天井クレーンで骨材を補給した後のホッパー内。砂や砂利が100%程度に増えたことがわかる

さらに、プラント内には360度カメラが設置されており、その映像やクレーンの運転データをクラウドで共有し、

遠隔監視や遠隔操作

もできるようになっています。

現場事務所などの自席から、天井クレーンの遠隔操作を行う技術者

現場事務所などの自席から、天井クレーンの遠隔操作を行う技術者

遠隔監視に使われる画面

遠隔監視に使われる画面

この天井クレーン自動運転システムは、既存のクレーンに後付けすることができます。

天井クレーンの運転を自動化し、遠隔監視が可能になったことで、これまでプラント内に常駐していたオペレーターとプラント管理者の2人体制から、管理者だけの1人体制になり、生産性が倍増しました。

さらに遠隔監視によって、複数のクレーンを1人で管理すれば、ますます生産性は上がることになります。

大林組は今後、このシステムを定点間移動の多い天井クレーンや、クラムシェルによる揚土作業など、コンクリートプラント以外にも展開していく方針です。

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