鹿島が造成工事の締め固め作業をオートメーション化! 成瀬ダムで鍛えた自動化施工を水平展開
2024年12月26日

管理人のイエイリです。

鹿島は複数の自動化建設機械を少ない人数で動かし、効率的に施工を行う自動化施工技術「A4CSEL(クワッドアクセル)」の開発を進めており、2015年から現場導入を行っています。

秋田県東成瀬村で施工中の成瀬ダム現場では、堤体材料の製造から運搬、締め固めまでの作業を合計14台の自動化したブルドーザーやダンプトラック、振動ローラーを3~4人で稼働させ「現場の工場化」を実現しました。(2023年10月17日の当ブログ参照

「現場の工場化」を実現した成瀬ダムの自動化施工(以下の写真、資料:鹿島)

「現場の工場化」を実現した成瀬ダムの自動化施工(以下の写真、資料:鹿島)

このほど、自動化した振動ローラー2台が別の現場に登場しました。

ナ、ナ、ナ、ナント、

工業団地の造成工事

の締め固め作業を自動化しているのです。(鹿島のプレスリリースはこちら

土地の造成現場で連携作業を行う2台の自動化振動ローラー

土地の造成現場で連携作業を行う2台の自動化振動ローラー

自動化振動ローラーが使われているのは、愛知県岡崎市内で鹿島・竹中土木・朝日工業JVが施工中の「岡崎市阿知和地区工業団地造成事業」の現場です。

名古屋市から南東に約35km離れた約63haの敷地に、工業団地やスマートインターチェンジとアクセス道路を整備しています。

造成工事はダムの堤体打設工事と異なり、毎日、作業エリアが変わり、盛り土の形や排水勾配など地形も複雑です。そこで従来の施工計画システムを改良し、複雑な形状に合わせて走行作業レーン割りができるようにしました。

さらに作業エリアの計画から施工までのデータが、スムーズに連携する仕組みを構築しました。

計画平面図から取得した転圧領域から、さらに細かい作業領域へと分割するイメージ

計画平面図から取得した転圧領域から、さらに細かい作業領域へと分割するイメージ

造成現場における計画から施工までのデータの流れ

造成現場における計画から施工までのデータの流れ

●計画から施工までのデータの流れ

  1. CADで作成された計画平面図から自動振動ローラーが転圧する領域(ユーザー指定場所)を取得
  2. 取得した転圧領域と自動振動ローラの設定値(機体固有の情報と自動転圧作業に関する情報)をもとに自動振動ローラーの作業領域(実作業場所)を生成
  3. 自動振動ローラーの作業領域のデータを重機管理システムに送信すると経路・軌道が自動生成され、自動運転プログラムへ指令送信
  4. 自動振動ローラーが自律自動運転で作業開始

このほか、自動振動ローラーがそれぞれの位置を把握し、

2台が連携作業

を行うことで、安全で無駄のない施工を行えるようにしました。

この造成現場では、「施工、データ連携、施工管理のオートメーション化」という、国土交通省の「i-Construction 2.0」施策で目指す3つの目標をすべて実現しそうです。

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