村本建設がGRIFFYのAR配筋検査「BAIAS」で誤差±5mmを実現! 勾配付き床版工でも活用可能に
2025年1月20日

管理人のイエイリです。

iPadの上位機種「iPad Pro」は、建設現場でデジカメや野帳、点群計測など幅広く使われていますが、最近はコンクリート打設前の鉄筋が設計通りに組まれているかどうかをチェックする配筋検査でも活用が進んできました。

現場のIT化を幅広く手掛けるエコモット(本社:札幌市)とその子会社GRIFFY(本社:東京都千代田区)が開発・展開する配筋検査ARシステム「BAIAS」もその一つです。

配筋検査ARシステム「BAIAS」の活用風景(以下の写真、資料:エコモット)

配筋検査ARシステム「BAIAS」の活用風景(以下の写真、資料:エコモット)

実際の配筋上に重ねて表示された鉄筋径や鉄筋間隔などの計測結果データ

実際の配筋上に重ねて表示された鉄筋径や鉄筋間隔などの計測結果データ

AR(拡張現実)とは、実際の現場の上に仮想の図形などを重ねて見る技術です。配筋検査の場合は、鉄筋径や鉄筋間隔などの計測結果が、実物の配筋上に重ねて表示されるので、わかりやすくスピーディーに確認できるのが特長です。

村本建設は2024年11月15日~12月6日の間、このBAIASを使って道路橋の床版工の配筋間隔を計測し、スケールによる実測値との差を検証したところ、

ナ、ナ、ナ、ナント、

誤差は±5mm以内

だったことが確認されたのです。(エコモットのプレスリリースはこちら

床版工の配筋間隔をBAIASのARマーカー機能で計測した結果。20測点で10カ所ずつ計測した

床版工の配筋間隔をBAIASのARマーカー機能で計測した結果。20測点で10カ所ずつ計測した

この結果は、何を意味するかというと、国土交通省が2023年7月に策定した「デジタルデータを活用した鉄筋出来形計測の実施要領(案)」では、床版工での許容誤差は「±5mmが目安」とされており、この基準を満たしたわけなのです。

また、橋梁の床版はビルの床スラブとは異なり、縦横断方向の勾配が付いていることもよくあります。微妙に勾配があると、実物の配筋と計測面を合わせることが難しくなります。

そこで、BAIASではあらかじめ

勾配の設計値を入力

しておくことで、配筋と計測面をピッタリ合わせられるようにしました。

計測前に横断勾配や縦断勾配を入力しておくことで、現場の配筋に計測面を合わせやすくした

計測前に横断勾配や縦断勾配を入力しておくことで、現場の配筋に計測面を合わせやすくした

勾配のある床版での計測風景

勾配のある床版での計測風景

BAIASは配筋検査を1人で簡単に行えるシステムです。iPad Proに搭載されたカメラや3D計測用のLiDARセンサーを使って、鉄筋の本数や径、間隔を計測できるほか、ダブル配筋や鉄筋かごも計測でき、国交省の実施要領の全項目に対応できます。

多くの人数と手間ひまを要していた配筋検査は、タブレットによるオートメーション化の方向に動き出しました。

(Visited 1 times, 5 visits today)

Translate »