管理人のイエイリです。
建設現場で様々な実作業に従事する作業員は、目の前の仕事に没頭するあまり、現場管理者への報告がついおろそかになってしまいます。
そこで、現場管理者の方から毎日、作業員に電話して現場状況を確認することになりがちですが、電話にすぐ出られず何度もかけ直す、タイムラグが発生する、電話代が増えるなどの課題がありました。
そこでファイナンシャルテクノロジーシステム(本社:東京都中央区。以下、FTS)は、作業員が手軽に現場報告を行える「音声認識現場報告システム」を開発しました。
コミュニケーションアプリの「LINE」の音声通話を使って、現場状況を話すだけで、
ナ、ナ、ナ、ナント、
AIが報告書を自動作成
し、現場管理者はテキスト情報で内容を確認できるのです。(FTSのプレスリリースはこちら)

「音声認識現場報告システム」の全体イメージ。作業員がLINEで現場状況を話すと、AIがテキスト化された報告書を自動作成する。内容にリスクが含まれていれば、現場管理者にアラートで通知する(資料:FTS)
スマホに音声で報告内容を話すだけなので、作業員が報告する負荷が軽くなる一方、音声報告された内容は録音と共にリアルタイム音声認識AI(人工知能)で文字起こしされ、現場管理者はテキストで報告内容を確認できます。
詳しく確認したい場合は、画像添付機能で追加報告してもらうことで重要な情報の漏れを防ぎます。
報告内容に「リスク」とみなされる内容が含まれている場合は、リアルタイムで現場管理者にアラート通知するので、即座に対応できます。
現場管理者はシステム上の報告を見れば、確認が必要な案件や情報が整理できるので、作業員との電話確認の時間が大幅に削減されます。
このシステムは宮吉硝子(本社:名古屋市昭和区)の業務に合わせ、完全オーダーメードのシステムとして開発されました。
宮吉硝子の現場で実証実験を行った結果、現場管理者の作業管理時間は、
年間2000時間も削減
できることがわかりました。
また、作業員側の報告・確認時間は30%削減され、作業員からの報告率も400%向上したとのことです。
電話による報告は、相手が応答しなければ成立せず、何かと手間がかかるため、おっくうになりがちです。
その点、このシステムは作業員、現場管理者ともに現場報告書の作成、確認をオートメーション化できるので、“現場報告DX”を実現できそうですね。