管理人のイエイリです。
下水管などの内部を走行しながら点検するロボットは、いろいろと開発されていますが、いざ、現場で使ってみると思わぬ障害に直面することがあくあります。
例えば、円筒形のような断面を想定してロボットを設計しても、小さな段差や管内に侵入した植物の根、堆積した土砂などがあると、たちまち立ち往生してしまいます。
ロボットメーカーのテムザック(本社:京都市上京区)は、こうした様々な悪条件を乗り越えながらパワフルに走破するインフラの点検・補修用ロボット「SPD-X」を開発しました。
その特徴は、下水管内などを、
ナ、ナ、ナ、ナント、
合計16本の足
を使って力強く走破できることなのです。
ロボットのサイズは幅180mm×高さ180mm×長さ500mmで、重さは9.1kgです。内径200mm以上の管内や平地を、時速0.3kmで走行します。一見、メカがむき出しになっているようですが、防水性能も備えています。
前面には1230万画素の360度カメラが付いており、ゲームコントローラーで遠隔操作が可能です。
16本の足の先端は、それぞれ円を描くように動くので、段差や管内に突起などがあっても、引っかかることなく移動できます。
また、管内に堆積物がたまっている部分の通過には、
3Dシミュレーター
で走破性を確認しました。
インフラ点検用には、様々なロボットが開発されていますが、一番労力がかかるのは移動するための「台車部」です。
2000年1月に創業したテムザックはこれまで、二足歩行、四足歩行、ホイール型などの様々なロボットを開発してきました。
同社は台車部分を汎用化・共通化し、共通化された移動台車部分の「ベースロボット群」をラインナップ化していくとのことです。
これらのベースロボットが手軽に入手できるようになると、後は用途に応じたセンサーや作業用アタッチメントを組み合わせれば、高所作業や点検、狭い場所での補修作業などを行うロボットが楽に作れるようになりますね。