管理人のイエイリです。
地震や洪水などの自然災害で発生する大量の災害廃棄物は、木材や布、プラスチック、土砂などが混ざっているため、処理方法や量を廃棄物の種類別に推定するのは大変難しい問題です。
この問題をICT技術によって解決しようと、奥村組は2024年11月に、石川県珠洲市と輪島市の災害廃棄物仮置き場で、リモートセンシング技術を使った実験を行いました。
廃棄物の内容を種類別に分類するために使ったのは、「ハイパースペクトルカメラ」という特殊カメラです。これで廃棄物の山を撮影すると、
ナ、ナ、ナ、ナント、
廃棄物を“バーチャル分別”
することができるのです。(奥村組のプレスリリースはこちら)
一般のカメラは、光の三原色である赤、緑、青の組み合わせで被写体の情報を表現しますが、ハイパースペクトルカメラはさらに赤外線部分(波長900~1700nm)まで含んだ広範囲な波長の光を撮影することができます。
その映像を画像分析することによって、一般のカメラでは判別できない材質の違いなどを見分けることができます。
この技術を使うと、災害廃棄物に含まれるものの割合をかなり正確に定量化できそうですね。
また、災害廃棄物の量は、3D計測できる「LiDAR」とGNSS(全地球測位システム)を搭載したスマートフォンで地上から撮影した画像と、ドローンで空撮した画像から点群データを作成することで、
体積を算出
できることを確認しました。
ハイパースペクトルカメラは、1000万円近いものもある高価な機器ですが、これで廃棄物の内訳を定量化でき、ドローンで量もわかれば、災害からの復旧計画も精度が高まり、よりスムーズに行えそうですね。
奥村組では平常時のうちから災害時に備える仕組みを目指して研究開発を続け、災害廃棄物のリサイクルや処理品質の向上を目指すとのことです。