衛星とAIで「隠れた盛土」を発見! パスコが新サービス「MiteMiru 盛土」を開始
2025年10月15日

管理人のイエイリです。

土砂災害から国民の生命や財産を守るためには、盛土の安全管理が欠かせません。

記憶に新しい2021年、静岡県熱海市の伊豆山で発生した土石流災害のように、宅地造成や道路工事などで行われた盛土が、大雨などをきっかけに崩壊し被害を拡大させるケースも増えています。

こうした背景から、国は2023年5月に「宅地造成及び特定盛土等規制法(盛土規制法)」を施行し、危険な盛土に対して全国一律の規制を開始しました。

しかし、広範囲にわたる山間部や人目につかない場所を自治体職員が頻繁に巡回し、不法・危険盛土を監視・発見するのは大きな負担です。

こうした自治体のお困りごとを解決するため、パスコ(本社:東京都目黒区)は、2025年10月9日に「MiteMiru(ミテミル) 盛土」という新サービスを始めました。

このサービスは、衛星画像とAI(人工知能)解析技術を活用し、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

隠れた不法盛土

 

も自動的に発見し、通知してくれるのです。(パスコのプレスリリースはこちら

「MiteMiru 盛土」の画面。新旧2枚の衛星画像をAIで解析し、土地の改変箇所を発見したイメージ(以下の写真、資料:パスコ)

「MiteMiru 盛土」の画面。新旧2枚の衛星画像をAIで解析し、土地の改変箇所を発見したイメージ(以下の写真、資料:パスコ)

発見された盛土は衛星画像と連動した一覧表としても見られる

発見された盛土は衛星画像と連動した一覧表としても見られる

「MiteMiru 盛土」はクラウド型モニタリングサービスとして提供されます。

契約した自治体向けに新規の衛星画像を撮影するので衛星画像の調達は不要です。画像は1.5m解像度の「SPOT」または0.5m解像度の「Pléiades」から選択できます。

撮影頻度は年1回または年2回から選択可能なので、 定期的な継続監視が可能です。

また盛土以外に、建物やソーラーパネル、伐採などの変化もAIで判定します。これらの情報を一元管理し、共有できるので、担当分野が異なる部署間で効率的に利用できます。

新規の建物を発見した例

新規の建物を発見した例

地上のソーラーパネル建設を見つけた例

地上のソーラーパネル建設を見つけた例

屋根上のソーラーパネルも自動発見できる

屋根上のソーラーパネルも自動発見できる

特に注目すべきは盛土抽出結果を、

 

土砂災害警戒区域

 

と重ねて表示できる点です。

抽出された盛土と土砂災害警戒区域を重ねて表示したところ●

この機能により、危険度の高い場所を優先的に確認し、早期対応につなげることができます。

これからの不法盛土対策などは、怪しい現場を地上パトロールで見回るだけでなく、「隠れた盛土」を宇宙から見つける時代へと進化していきそうですね。

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