管理人のイエイリです。
大きなバケットを備え、小回りの利く「ホイールローダー」という建機は、材料をすくってダンプに積み込んだり、ホッパーに投入したりする作業を繰り返し行うのに向いています。
その分、オペレーターはちょっと退屈してしまうかもしれませんね。
大林組のグループ会社である大林神栖バイオマス発電(本社:茨城県神栖市)が運営する大林神栖バイオマス発電所(所在地:茨城県神栖市、発電容量:51.5MW)でも、燃料の集積場所から投入口までを運搬する作業に、ホイールローダーが活躍しています。
大林組はこの運搬作業を省人化するため、この発電所で実証実験を行いました。
一般のホイールローダーを、
ナ、ナ、ナ、ナント、
“後付けキット”で自動化
し、無人運転することに成功したのです。(大林組のプレスリリースはこちら)
ホイールローダーを自動化するために使用したのは、自動運転システム、3D-LiDARや傾斜計などのセンサー、自動運転制御盤、レバー制御装置です。
ホイールローダーは作業場所の位置を認識し、積み上げられた材料の形状から効率よくすくい込みできる位置を自動的に判断し、作業位置まで走行します。
その後、事前に設定した経路で運搬し、積み込みや投入作業を行います。
すくい込みや運搬、積み込みなどの自動運転に必要な作業設定は、離れた場所から安全に行えます。
実証実験ではバイオマス発電の燃料となる「PKS」(パーム椰子の殻)を、集積場所から燃料投入口まで運搬、投入する作業を繰り返し、135tを約2時間半で完了しました。有人作業と同じ水準の作業でした。
また夜間でも日中と同様に作業できることを確認しました。
この“後付けキット”は、ホイールローダーのメーカーや機種を選ばずに取り付けられ、動作設定も作業員の熟練度に関係なく簡単に行えます。
さらに帳票機能も備えており、
積み込みや投入の量
なども自動的に管理できます。
こうなると外観はホイールローダーですが、中身はロボットと言っても過言ではありませんね。
建設現場の材料ヤードのほか、発電所や採石業など、他業界のオートメーション化にも貢献が期待されます。