管理人のイエイリです。
コンクリート打設時に行われるバイブレーターによる締め固め作業は、これまで作業員の経験と勘によって品質が保たれてきました。
しかし、見えない生コンの中での作業だけに、どうしても締め固め不足の部分が出てきそうですね。
これまで、経験と勘が頼りだった締め固め作業の品質をしっかり管理しようと、東急建設と計測リサーチコンサルタント(本社:広島市東区)は「バイブトレーサー」という装置を共同開発しました。
作業員がバイブレーターで締め固めた位置を、
ナ、ナ、ナ、ナント、
3Dデータで見える化
できるシステムなのです。(東急建設のプレスリリースはこちら)
「バイブトレーサー」の本体には球形マーカーとレーザー距離計が搭載されており、バイブレーターのホース部分に取り付けて使用します。
締め固めた位置は、周囲に設置した複数のモーションキャプチャーカメラで球形マーカーを計測し、締め固め深さはレーザー距離計でコンクリート打設面までの高さを測定して割り出します。
計測した位置情報は、計測用パソコンに3D座標と締め固め時間として記録し、リアルタイムにタブレットでもデータが見られます。
これによって、コンクリート締め固め中に、
作業漏れを防ぐ
ことができるのです。
東急建設は2024年7月に、千葉県松戸市内の馬橋根木内線(幸谷)道路築造工事の擁壁コンクリートの打設で、バイブトレーサーを初めて導入しました。今後、他現場の擁壁コンクリート工にも導入し、品質確保と生産性向上を図っていく方針です。
屋外で行われる道路の擁壁工事なら、高精度に位置計測できるRTK-GNSS(全地球測位システム)も使えそうなので、将来的にはスマートフォンにGNSSのアンテナとレーザー距離計を備えたアタッチメントを取りつけるようにすれば、より小型にできるかもしれないと、勝手に期待しています。