GNSS衛星「みちびき」でクレーンの衝突予防! エスシー・マシーナリが「クレーンアシスト」を開発、レンタルへ
2025年3月5日

管理人のイエイリです。

複数のクレーンが稼働する工事現場では、クレーンのブーム同士が接触すると吊り荷や部品が落下し、大事故につながる恐れがあります。

また、送電線や通信用電波の送信ルートとブームが接触すると、停電や通信障害などの原因にもなります。

複数のクレーンが稼働する現場のイメージ(以下の資料:清水建設)

複数のクレーンが稼働する現場のイメージ(以下の資料:清水建設)

こうしたクレーン事故を防ぐため、清水建設グループのエスシー・マシーナリ(本社:横浜市瀬谷区)は、「クレーンアシスト」という警報システムを開発しました。

各クレーンのブームの位置や向きをリアルタイムに把握するために使ったのは、

ナ、ナ、ナ、ナント、

GNSS衛星「みちびき」

なのです。(清水建設のプレスリリースはこちら

クレーンアシストの機器構成。ブーム先端と本体に備えた2台のGNSSアンテナと受信機でブーム先端の向きや位置などを把握する

クレーンアシストの機器構成。ブーム先端と本体に備えた2台のGNSSアンテナと受信機でブーム先端の向きや位置などを把握する

クレーンアシストの機器は、ブームの先端と下端付近に設置したGNSSアンテナと受信機、運転室の中に設置したルーターボックスとタブレットというシンプルな構成です。

現場の敷地内におけるクレーンのブームの位置は、2台のGNSS受信機で「緯度」「経度」「高さ」を0.2秒間隔で測位したデータから割り出し、タブレットの画面上に示します。

複数のクレーンが稼働する現場では、自機と他のクレーンの位置をタブレットの画面上にリアルタイムに表示します。

そして自機のブーム先端と他のクレーンのブームの距離が一定の距離以下になると、「注意」「危険」「停止」の危険レベルに応じて画面の背景色が「黄」「橙」「赤」と順に変化し、危険レベルに応じて

警報音も大きく

なり、オペレーターに事故の危険を知らせます。

現場内でブームが侵入してはいけない場所があるときは、その境界面の位置をシステムに入力しておくと、ブームの接近によって警報音などでオペレーターに知らせます。

クレーンなど建機の接触防止システムと言えば、角度や長さのセンサーを取りつけるのが一般的ですが、このシステムでは2台のGNSS受信機がその役目を果たしており、シンプルでわかりやすいですね。

グローバルな座標で位置を管理することで、目に見えない電波の通り道との干渉も防ぐことができます。しかも測位誤差は12cm以下と高精度です。

エスシー・マシーナリは今後、クレーンアシストを1台月額12万5000円でレンタル予定です。

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