管理人のイエイリです。
2025年4月に開幕した大阪・関西万博の会場では、太陽工業(大阪本社:大阪市淀川区)の膜構造を使ったパビリオンや施設が目立ちます。その数は20以上にも上ります。(詳しくは,日経クロステックの記事参照)
工場で製造し、現場で組み立てる作業を効率化しているのは、YKK(本社:東京都千代田区)製の大型のファスナーです。
ファスナーの開閉は、衣服などのと同じく、手で「スライダー」を動かして行いますが、大型テントなどの高いところは手が届かないので足場などが必要となります。
そこでYKKは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
自走式ファスナー
を開発しているのです。(太陽工業のプレスリリースはこちら)
2025年2月には太陽工業製のエアーテント「マク・クイックシェルター」などを使って、自走式ファスナーの実験が行われました。
天井高は2.5mありますが、スイッチを入れるとファスナーをつなぐスライダーが自動的に動き出し、2つのテントをわずか40~50秒で接合することに成功したのです。
またテントなどの素材として一般的に使用している高さ5mの膜の自動接合にも成功しました。
ファスナーを閉めるとき、スライダーをスムーズに引っ張れるように、左右のテープを引っ張って寄せる必要がありますが、このスライダーはたるんだファスナーもスムーズにつないでいきます。
その秘密は、スライダーの駆動機構に、
ウォームギア
のような部品を使っていることです。
このウォームギアのような回転部品を、ファスナーのギザギザ部分(エレメント)とかみ合わせて、ラックレールのように進むことで、たるんでいるファスナーでもスライダーがスムーズに動けるのです。
シンプルな構造なので、今後、大型のファスナーは遠隔操作できる「自走式ファスナー」が当たり前になりそうですね。