管理人のイエイリです。
福井コンピュータ(本社:福井県坂井市)の「TREND-POINT」は、ドローンや3Dレーザースキャナーで計測した工事現場の点群データから盛り土や切り土の土量計算を行ったり、BIM/CIMデータと比較して出来形管理を行ったりするソフトの草分け的存在です。
これまでは土木現場用のソフトというイメージが強かったですが、2025年の秋に発売される最新版では、
ナ、ナ、ナ、ナント、
業界初の3D表示技術
を搭載することになり、活用範囲が広がりそうなのです。(福井コンピュータのプレスリリースはこちら)
その技術とは「3D Gaussian Splatting」というもので、点群データの欠落部分などを滑らかにつなぎ、高精細な表現や表示を実現しました。
例えば、ガラス窓などを点群だけで表示しようとするとノイズのようになってしまうところ、この技術を使うと点群間が滑らかに補完されます。
そのため、建築物やオブジェなどの文化財や遺跡などのデジタルアーカイブやシミュレーションなどにも、TREND-POINTの用途が広がります。
このほかトレースなどに役立つ新機能に、点群と写真を重ねて表示できる機能があります。点群は正確な座標をもっていますが、部材の境い目や角などは表示が甘くなりがちという課題もありました。
そこで点群と写真を「重畳表示」することで、トレースなどが行いやすくなります。
このほか、現場での立会検査に便利なのが、設計と施工結果を比較する「出来形ヒートマップ」を
ARで現場上に表示
できるAR出力機能です。
出来形ヒートマップをARで現場に重ねて表示することで、現場のどの部分の施工精度が悪いのかが直感的にわかり、手直しなどを即座に行うことができます。
国土交通省の令和7年3月版「3次元計測技術を用いた出来形管理要領(案)」の1-31ページでも、「ヒートマップとデジタル技術を活用した立会確認」という項目があり、土工、舗装工、河川浚渫工の場合はARを活用した立会確認が行えることなどが記載されています。
TREND-POINTはこれまで土木現場用のソフトというイメージでしたが、これからは建築物、文化財、遺跡などのデジタルアーカイブやシミュレーションにも、活用範囲が大幅に広がりそうです。