p>管理人のイエイリです。
工事現場の生産性向上のために、施工管理を遠隔で行う取り組みが進んでいます。
西松建設は山岳トンネルの工事現場の状況を遠隔地から把握するため、デジタルツインプラットフォームを構築しました。
これまでもクレーンなどの重機の位置がリアルタイムにわかるデジタルツインは、他の建設会社でも開発されていましたが、西松建設のプラットフォームは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
バケットの位置や角度
まで、“超精密”に再現できるのです。(西松建設のプレスリリースはこちら)
このデジタルツインは、トンネル掘削最前線の「切羽」で掘削作業を行っている重機の位置や姿勢のほか、温湿度などの環境データ、設備稼働状況、さらには作業員の健康状態を計測したバイタルデータなどをリアルタイムに統合できるように開発されました。
重機の位置や各部の動きは西松建設が以前から開発している山岳トンネル無人化・自動化施工システム「Tunnel RemOS」のデータを利用しました。
これにIoT(モノのインターネット)ゲートウェイを介してリアルタイムに収集した環境データ、設備稼働状況、作業状況、作業員の位置やバイタル情報などをデジタルツイン上で統合し、可視化することで遠隔地からでも「現場の今」を細かく把握できます。
現場全体で今、起こっていることを俯瞰(ふかん)的に管理できるので、トンネル工事の効率化、安全性向上および生産性向上を実現します。
このシステム開発では、シリコンスタジオ(本社:東京都渋谷区)がゲームエンジンを活用した可視化技術で支援を行いました。
現場をデジタルツイン化したことで、そのデータを
AIが監視・分析
することも可能になりました。
現場のデータを24時間見守りながら、重機と作業員の衝突が起こりそうなときはアラートを出し、作業員のバイタルデータに異常が見られたときは、適切な対応を指示します。
また、現場の騒音・振動や粉塵濃度、温湿度などの環境データをモニタリングすることで過酷な労働環境の改善を促します。
西松建設では今後、実現場にデジタルツインプラットフォームを適用し、発破後のずり形状や掘削形状などをもとに最適な施工方法をバーチャル空間でシミュレーション。その結果を「Tunnel
RemOS」にフィードバックして現実の重機を制御する“逆デジタルツイン”による工事の自動化にも取り組んでいきます。
さらにダムや造成工事など他の土木工事にも、デジタルツインの活用を広げていく方針です。
国土交通省が推進する「i-Construction 2.0」施策の建設現場のオートメーション化をフルに実現する点でも、最先端と言えるでしょう。