管理人のイエイリです。
官公庁でのBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)活用と言えば、国土交通省 官庁営繕部でのBIM試行プロジェクトが有名ですが、最近は官庁間での水平展開も始まっているようです。
昨日(7/17)、東京・虎ノ門で開催された日刊建設通信新聞社主催のセミナー「国交省BIMのインパクト」で、講演した法務省官房施設課施設設計調整官の那花弘行氏は、
ナ、ナ、ナ、ナント、
法務省でBIMソフトを導入
していることを明らかにしたのです。
法務省の大臣官房には施設課という部署があり、刑務所や少年院などの収容施設の設計を行っています。これらの施設の設計では、収容者の逃亡の防止や、保安事故の防止といった保安機能などが求められます。
そのため、動線や施設内外の見通しなどを、施設管理者や職員の意見を入れてより入念に検討する必要があるのです。
例えば収容者と外部との意思疎通やアイコンタクトを防ぐための窓ごとの透明度などを適切に設定する一方、初めて少年院に送られてくる少年が門を入ってから建物に入るまでに不安感を覚えないかといったことも検討の対象になります。
そのツールとして、BIMは図面よりもずっとわかりやすいということで、2013年度から設計者の協力も得ながら少年院などの設計に活用し始めました。法務省にもBIMソフトを導入したそうです。
那花氏は2010年から2012年の間、国交省中部地方整備局に出向し、国交省のBIM試行プロジェクトの1つである静岡地方法務局藤枝出張所の工事にかかわりました。
そのとき、BIMの分かりやすさや、周辺住民に対する説明のしやすさなどを実感し、2013年に法務省に戻ってからは率先して法務省の施設の設計にBIMを活用し始めたそうです。
法務省以外でも、防衛省など自前の施設を企画・建設している官公庁でBIMの本格的な導入が始まりそうですね。
この日は、セミナーのタイトルのように「BIMのインパクト」を感じることがありました。それは集まった受講者の数です。
会場となったニッショーホールには、
ナ、ナ、ナ、ナント、
約450人もの受講者
が詰めかけたのです。これだけ大規模なBIMイベントは初めての体験でした。
このほか、官房官庁営繕部整備課施設評価室長の山田稔氏によるBIMガイドラインの解説や、国交省のBIM試行プロジェクトの1つである前橋地方合同庁舎の設計・施工にかかわった安井建築設計事務所の村松弘治氏、五洋建設の中村治男氏、ペーパレススタジオジャパンの勝目高行氏によるパネルディスカッションなども行われました。
今回のイベントの内容や参加者の数からも、BIMは本格導入の時期を迎え、ユーザーのすそ野が広がっていることがうかがえました。