教育現場における各校での取り組みや著名建築家などの特別講演を企画し、エーアンドエーが年に1度開催してきたVectorworks 教育シンポジウムは2020年、新型コロナウイルス感染防止の観点から、やむなく開催を断念した。しかし、このような環境下でも、全国各地の学生は勉学や研究に創造力と意欲を持って取り組んでいる。
そこで、今年はインターネット上で、「想造~想いをカタチに~」をテーマに「Vectorworks 教育シンポジウム 2020 Web 版」をバーチャル開催することになった。
OASIS加盟校に通う学生がコロナ禍にも負けず、取り組んだ成果である「学生作品最優秀作品発表」や「研究・調査支援奨学金制度 研究成果発表」、そして来年へと続く「本年度奨学金対象者発表」を、オンラインで広く発表することで、学生を元気づけたいというエーアンドエーらしいイベントだ。
そこには、未来を担う学生を支援したいというエーアンドエーやOASISの熱い気持ちがあふれている。まずは、エーアンドエー代表取締役社長の横田貴史氏の開幕あいさつから、始まった。
平素はVectorworksのご愛顧を賜り厚く御礼申し上げます。
さて、毎年多くの教育関係のみなさまにご参加いただいておりますVectorworks教育シンポジウムですが、今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から開催を見送りました。
この教育シンポジウムは、教育関係のみなさまとのコミュニケーションの場、また学生のみなさまの日頃の成果を拝見する場でもあり、私自身も毎年新たな気づきや感銘を受けることも多く、今回の見送りについては非常に残念です。
ついては教育関係のみなさまと一緒に10年以上に渡って継続してきたこの教育シンポジウムを今年はWeb版という形で継続したいと存じます。多くのみなさまにご覧いただければ幸いです。
また今年も研究・調査支援奨学金への多数のご応募ありがとうございました。今年度授与されたみなさんの研究成果を楽しみにしております。
最後になりますが、Vectorworksがこれからも教育関係のみなさまにとって創造性を活かせる有益なツールになるよう今後も取り組んでまいりますので、引き続きご愛顧のほどお願い申し上げます。
Vectorworks Executive Prize 2020
OASIS加盟校 学生作品集 最優秀作品賞
横田社長のあいさつにも、コロナ禍にもめげず、ひたむきに研究に取り組む学生の期待がにじんでいた。次はOASIS加盟校の学生が制作した作品の中から、最優秀を選ぶ注目のセレモニーだ。今年はいったい、どんな作品が選ばれたのだろうか。
エーアンドエーではOASIS加盟校でVectorworksによって行われたデザイン教育の成果を紹介する「OASIS加盟校学生作品集」を毎年、制作している。2020年度版には17校の作品が収録された。これらの中から、開発元であるVectorworks社(米国)が最優秀作品を選び、表彰する「Vectorworks Executive Prize 2020」には、北九州市立大学 国際環境工学部建築デザイン学科の末松葵さんの「NUVOLE FUKUOKA」が選ばれた。
この作品は、拡張工事が進む福岡空港国際線ターミナルの駐車場跡地に、ショッピングセンターやホテルを備えた複合施設を計画したもので、空港利用者や地域住民を「お迎えする・お見送りする」空間をコンセプトにした。
Vectorworks社のCEOビプラブ・サーカー(Biplab Sarkar)氏は、「屋根とエントランスのカーテンウォールは、自由形状でデザインに開放感を与えています。おそらく屋根は、Vectorworksの面配列機能を利用したのだと思います。インテリアデザインは非常に洗練されており、レンダリング画像は、この作品のレベルがとても高いことを表しています。」と受賞理由についてコメントした。
受賞した末松さんは「受賞を励みに、今後も街を活性化するような建築の提案をしていきたいと思います」とコメントを寄せた。
末松さんには記念の盾とVectorworks Designer 2020製品版が贈呈された。末松さんには、賞品のVectorworksを思う存分に生かし、充実した学生生活を送ってもらいたい。
OASIS加盟校研究・調査支援奨学金制度
研究成果発表
2019年度の研究・調査テーマは「balance~調和~」だった。研究が佳境を迎えつつある中で、全世界を襲ったコロナ禍によって、各グループが被った影響は計り知れない。それに負けることなく、研究・調査支援奨学金を授与された5グループは地道に研究を続け、結果を出した。各グループの代表者に、研究成果を発表してもらおう。
フィンランドにおける木質構法とサウナ文化に関する調査及び、フィンランドと日本の文化の調和による新たな木造浴場建築の創出
遠く離れたフィンランドと日本には共通する文化もある。それは両国とも木質構法が普及していることと、フィンランドではサウナ、日本では銭湯という浴場施設が人々の生活に根付いている点だ。
2019年10月、フィンランドの木質構法とサウナ文化を調べるために4日間の現地調査を行った。その目的は、アアルト大学の建築学生とともにサウナ文化と銭湯文化が調和した木造浴場のプランを作成することだった。
課題の敷地は、ヘルシンキ市内からフェリーで15分ほどのスオメンリンナ島の海岸だった。18世紀半ばに作られた要塞(ようさい)跡や大砲が残るこの島は、1991年に世界遺産にも指定されている。
敷地調査後、2グループに分かれて設計案をまとめていった。銭湯は浴場が男女で分かれているが、サウナは男女一緒に入るのが特徴だ。
そこでAグループは海上に船のような人工島を浮かべ、その上に男女用の銭湯や共用のサウナなどを備えた複数の球形木造建築を建設するプランを作った。一方、Bグループは吊り橋のように湾曲した屋根や三角屋根、対称的な平面配置を合体させたプランを作った。
その後、11月にはヘルシンキの建築家を鹿児島に招き、伝統的な麓建築や木材プレカット工場の見学、公開セミナーも実施した。そして両国の建築が「陰影」によって深みを与えてきた伝統についても認識を新たにした。
鶴ケ谷団地再開発計画
1968年に分譲を開始した宮城県仙台市にある鶴ケ谷団地は、当初、戸建て住宅だけでなく教育文化施設や商業施設なども同時に整備され、人気のある住宅地だった。しかし50年が経過した今、団地の高齢化率は38.6%と仙台市全体の23.7%より高くなり、地域コミュニティが低下し、商業施設のにぎわいも失われつつある。
そこで団地の再生を目標に、町内会の協力を得て現状調査を行った。商業施設の老朽化や集会所の少なさ、参加世代の偏りなど、様々な問題点が明らかになった。これらを踏まえて、二つの提案を作成した。
「鶴ケ谷ショッピングセンター再生計画」は団地中心にあるショッピングセンターを建て替えるプランだ。通気性や回遊性を高めるため、フレーム型の建物とした。建物を敷地に分散配置して空きスペースは公園のように歩けるようにした。また道路側に圧迫感を与えないように建物をずらし、自然に入りやすい商業施設を目指した。
もう一つの「空き家をリノベーションした団地コミュニティの活性化」では、空き家同士を回廊でつなぎ、1階部分を地域の図書間や集会所のほか高齢者支援施設として地域に開放する一方、2階部分は住居として残し、コレクティブハウスとする提案を行った。
この研究は今後も継続し、さらに具体的な提案にすることで団地の活性化につながる活動を行いたいと考えている。
生活行為と年齢に配慮した照明の調節手法に関する研究
高齢者の健康寿命を延ばすためには、加齢によって低下した視機能を補うため、生活行為に合った照明環境を提供する「適時適光」を実現することが必要だ。具体的には食事、くつろぎ、就寝などの生活シーンに合わせて、LED照明などの「照度」と「色温度」を最適に調節することだが、これらが短い時間で変わると目の順応が追いつかず、不快感が生じるおそれもある。
そこでまず、実験室において、照度と色温度を変える実験を行い、照度のみの変化、色温度のみの変化(以下、単独変化)、照度と色温度の同時変化の3者の関係について検討した。
実験には、被験者として若齢女性17人が参加した。実験の結果、照度と色温度を同時に変化させる場合、今回の実験範囲では、照度や色温度の変化速度が速くなるほど、また変化が大きくなるほど照度及び色温度の単独変化よりも不快率が高くなる条件の割合が高くなることが分かった。また照度や色温度の単独変化よりも同時変化の不快率を抑えられることは少ないことを把握した。
次に、ある生活行為中及び生活行為移行時の変化(行為中:新聞、くつろぐ、想定行為無,行為移行時:新聞→くつろぐ、くつろぐ→新聞、想定行為無)について、各行為における変化速度の影響の違いを検討した。
行為中、行為移行時の各実験の結果から、先行研究で明らかにした年齢および生活行為に適する照度・色温度を把握していれば、変化後の照明環境の適否によらず、行為を特定しない場合について得られている知見を行為を問わず適応可能であるということが示唆された。
「~調和する街の風景を求めて~大田区のいい風景図鑑」作成プロジェクト
東京・大田区のまちには長く愛されている風景がある。その秘密を探るため、本校の3年生33名が参加して大田区内を走る東急多摩川線の矢口渡、武蔵新田、下丸子、鵜の木、そして沼部の5駅周辺のまちを調査した。まちの中で調和を感じる風景を探し、写真を撮るとともに現地記録や計測、インタビュー調査を行った。これらのデータを「地域の商店街」「多摩川の自然」「坂道」「子どもの遊び場」といったキーワードで整理し、考察を行って1枚の調査シートにまとめた。
例えば下丸子には老舗店舗が多く、人情感あふれる商売を行っている。客と店主の間に信頼関係が生まれ、商店街で買い物をすることが、日々の交流に発展していく。また商店街には大人の目があるため犯罪が少なく、子どもも安心して歩けるという要素がある。
これらの調査結果は46枚作成し、「大田区のいい風景図鑑」(https://e-fukei.net/)としてインターネット上で一般公開した。
これらの調査で明らかになった課題をもとに、設計プロジェクトも行った。「ミライのまち・ミライの住まい・ミライの駅」をテーマに提案するものだ。既存の坂や用水路を生かした回遊性のある遊歩道や、様々な世代が集うコレクティブハウスを整備してまちを活性化する案、全国に知られる「鵜の木まつり」を生かした未来の駅の案などだ。この研究は2020年度も継続されている。
米子駅前広場サードプレイス化計画
JR米子駅では自由通路と南口広場を整備し、駅によって分断されていた南北一体化を図る事業が進行している。駅前広場が市民の居場所である「サードプレイス」として利用されるには、滞留行動を誘発する空間を作ることが必要だ。そこで米子駅整備の基礎的資料とするため、この研究では、近年、地方都市で行われた駅前広場19事例を調査した。
整備を担当した地方公共団体を対象に行ったメールで調査の結果を分析すると、近年の駅前広場では(1)交通広場と滞留広場が分かれている「滞留広場独立型」と(2)両広場が一体化している「交通・滞留広場一体型」に大別できることがわかった。
駅前広場の目的と整備内容を分析すると、滞留広場独立型は賑(にぎ)わい創出を目的とし、整備内容が多岐にわたる傾向があった。一方、交通・滞留一体型は利便性の向上を目的とする傾向が強かった。整備段階で市民が参加するワークショップを開催したのは53%と半数を上回った。
さらに駅前広場での人々の滞留行動を分析するため、JR米子駅、JR日向市駅、天理駅で2019年9月に平日と休日の11時~19時の間、目視と動画による現地調査を行った。調査項目は性別、年齢、滞留者の位置、行動、人数、滞留時間、動線とした。
これらを分析した結果、人々の滞留行動には、植栽や屋根による日陰や腰を下ろせること、様々な層が利用できる遊具などがあること、集団で滞留できる起伏や噴水があることが、大きな影響を与えることが明らかになった。
フィンランドのサウナと日本の銭湯のコラボレーションから、地元の歴史的風景や団地、まちづくりについての研究、さらには高齢者の健康寿命を延ばす照明のあり方まで、今年もユニークな研究がめじろおしだった。それぞれの研究に対する感想を、エーアンドエー取締役で研究・調査支援奨学金制度選考委員を務める本間盛晃氏が語った。
研究成果発表 総評
研究成果発表、ご苦労さまでした。
今回、初めてムービーで研究成果発表いただきました。当初、研究成果を会場で見ることができず残念な気持ちでおりましたが、発表はどれも力作で、プレゼン力があり、感心しました。十分みなさんの研究を受け止めることができたと感じています。個々にコメントさせていただきます。
鹿児島大学大学院:森 悠真さん他4名の研究。日本とヘルシンキが、なぜ繋がるのか興味津々でした。両国の共通項である「木造」、生活に共通する「銭湯」と「サウナ」。文化や生活習慣など異なる環境ながら、両者が互いの価値観や思考を持ち寄り、情報を共有し、設計に繋げる。互いが理解を深める瞬間も調和を感じたのではないかと思います。現地での活動は、大きな成果であり、今後に生かしてください。
東北学院大学大学院:淺井 郁明 さんの研究。高度成長期に夢のマイホームを実現した多くの団地は、現在、一つの役目を終え、新たな活用シーンが求められていると考えます。団地の町内会へのヒアリングは、調和の原点です。基礎研究を終えた段階とのことですので、今後も町内会の方とともに活性化を検討いただき、地域コミュニティと建築の役割について探求を続けてください。期待しています。
奈良女子大学大学院:大江 由起 さん他2名の研究。定性的な環境に対し、定量的な指標を用いたわかりやすい研究でした。照明は、人それぞれ、おおよそ感じ方は異なりますが、実験内容を数値化することで可視化され説得力のある研究です。素材にブレがないLEDを用いたことも良い着眼点と思います。この研究成果がAI(人工知能)と繋がり自動調節され、常に心地良い空間で生活できる環境構築も想像されます。今後を大いに期待します。
日本工学院専門学校:渡邊 優 さん他33名の研究。普段、何気なく通り過ぎてしまう街並みも、改めて調べてみると深い歴史や住民の思いに気付かされます。研究発表を見て、研究に携わった全員それぞれが感じた「長く愛される風景」を知りたくなりました。人と環境の調和、そして地域活性化に繋がるこの研究をぜひ今後も続けてください。instagramでの公開を楽しみにしています。
米子工業高等専門学校:永友 日向 さん他1名による研究。駅前広場について、数多くのワークショップが開かれていることに驚きました。駅前広場は、機能が限定的で無機質になりやすい空間ですが、実は市民は賑(にぎ)わいや気軽に安心して滞留する場所にしたいと考えているのですね。利用する市民の思い、それを踏まえた環境整備、どちらも大切にしてこそ、心地よい空間、調和が生まれるのだと思います。今後の研究にぜひ生かしてください。
全体的に人と人、人と環境など、対極的な同士を繋ぐことを調和として捉えている研究でした。偏った意見、見地でなく、互いを分析し、分かり合い、理解し、大切にし、次に繋げる。今回の研究発表を受けて、常に忘れてはいけないこと、それが調和であることを改めて実感しました。ありがとうございました。
最後に、私が毎回お話しする内容ですが、みなさんの研究はこれで終わりではありません。よく、卒業研究で課題を提出し、発表することがゴールと勘違いされる方がおりますが、それは一つのポイントにすぎないのです。1年後、5年後、10年後、研究を振り返ってみると、何が足りなかったか、現在なら何を求められるか、研究当時に見えなかった課題がきっとたくさん湧いてきます。それらの課題は、みなさんの成長に糧になり、社会貢献と一助になります。今後も、みなさんの研究を大切に育ててください。
●2020年度OASIS加盟校 研究・調査支援奨学金制度
2020年度の奨学金テーマは『革新と創造』だ。6月30日までに事務局に寄せられた応募の中から、厳正な審査を行った結果、次の5組に奨学金が授与されることになった。学生たちのコメントには、研究にかける意欲と熱意がにじみ出ている。来年の発表も大いに期待できそうだ。
【受賞者】
【本間氏からの本年度テーマ総評】
今回も数多くの応募いただき、ありがとうございました。
研究者の思いの詰まった研究内容が多く、今年も選考に難儀し、全ての研究者に授与したい気持ちになりましたが、厳正なる審査の結果、5組を選考させていただきました。選考理由ですが、今回のテーマである【革新と創造】を捉えていること、また、成功のイメージがはっきりしていること、この2点です。
授与のみなさんにとって、コロナ禍の大変な環境下での研究となりますが、 with コロナ、ソーシャルディスタンスを守りながら、革新と創造を用いた新しい時代の研究を期待しています。来年のVectorworks教育シンポジウムでの発表を楽しみにしています。
日本全国がコロナ禍に見舞われた2020年の春、各校では通常の授業を行うことが難しくなり、「オンライン授業」などに切り替えざるを得なかった。Vectorworksをいつものように教室で使うことも難しくなった。OASIS加盟校の危機を乗り切るため、裏方として支え続けたのが、OASIS事務局だ。エーアンドエー教育支援部 OASIS事務局の福原弘之氏に、その苦労を語ってもらおう。
OASIS事務局からのご案内
今年のOASIS事務局からのご案内は、Vectorworks University、Vectorworksデザインスカラシップ、OASIS監修書籍、最新事例のご紹介、そしてオンライン授業支援ライセンスについてお話します。
昨年9月からVectorworks社が海外のユーザー向けに提供を始めたeラーニングシステム「Vectorworks University」を、来年1月から日本でも公開できるように準備を進めています。インターネットを使った動画配信を通じて24時間いつでも、どこでもVectorworks操作を学べる環境をご提供する予定です。また、新機能のご紹介やウェビナーなどのコンテンツもございますので、みなさまの教育活動の一助になりましたら幸いです。
2011年から日本独自で開催してきたOASIS加盟校 研究・調査支援奨学金は、10年目を迎えた今年で募集を終了し、2021年からはVectorworks社が主催する奨学金制度Vectorworksデザインスカラシップとして新たにスタートします。日本国内で選ばれた最優秀作品を日本の代表としてVectorworks社で行われるRichard Diehl Awardへ推薦するという2部構成になっています。世界一を目指せる企画ですので、ぜひ、みなさまのご参加をお待ちしております。
OASIS事務局がはじめて監修でお手伝いをさせていただきました「最短で学ぶVectorworks建築製図とプレゼンテーション」が9月末に発刊されました。本書は帝塚山大学 現代生活学部 居住空間デザイン学科の辻川先生と吉住先生が共著されたもので、実際に授業で取り組まれているVectorworksの基礎操作から建築製図の手順、3Dプレゼンテーションまでの内容が収録されており、演習問題なども掲載されております。ぜひ、ご活用ください。
今回、ご紹介する最新事例は、九州デザイナー学院による産学協同プロジェクトを取材しました。トヨタカローラ福岡 井尻店のショールームを学生たちが空間プロデュースしたものです。「実社会での厳しさや、モノづくりの難しさを早く体験させたい」担当教員である平川先生の思いから実現された企画でした。素材には段ボールが採用され、温かみのある装飾品が作成されました。段ボールの技術アドバイスや加工製作に必要な機材と場所は、北九州市の大国段ボール工業社が支援しました。すでに弊社事例Webサイトで公開していますので、ぜひご覧ください。
このコロナ禍の影響により、多くの学校が、これまでの対面授業を、急遽オンラインに切り替えて対応しなければならない状況となりました。そこでVectorworks社へ支援依頼を行い、OASIS加盟校にはオンライン授業で利用できる特別支援ライセンスの提供が期限付きで承認されました。
これから先、元の生活に戻るためには、何年かかるかわかりませんが、OASIS事務局では授業様式の変化に対応できるよう、工夫や対策を継続して考えています。ぜひ、これからもみなさまからのご意見ご要望をお待ちしております。
こうして、2020年の「Vectorworks 教育シンポジウム 2020 Web 版」は幕を閉じた。コロナ禍のもと、デザインや空間を対象とする建築関係の授業は本来、オンライン化が難しいと思われるが、OASIS加盟校はVectorworksというITツールを駆使して、研究や授業を進めることができたようだ。来年はぜひ、これまで同様にリアルな会場での開催できることを、エーアンドエーOASIS事務局では願っている。
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【OASISについて】
エーアンドエーが提供するVectorworks教育支援プログラム「OASIS」は、2010年に発足し、高校や専門学校、大学などでますますニーズが高まる3次元CADやBIMの教育に対応するため、サービス内容も時代に合わせて変化してきた。
Vectorworksを使ったエーアンドエーの教育・研究のサポートも、防災・環境シミュレーションなど幅が広がってきた。学生がVectorworksによって充実した教育を受ける機会を増やし、その実力を卒業後も保ち、企業での実務に生かせるようにする製品、サービスの充実を図っていくためのさまざまなプログラムを実施している。
A&A.Vectorworks教育支援プログラム「OASIS(オアシス)」についてのお問い合わせは こちらをご確認ください。