管理人のイエイリです。
バーチャルリアリティー(VR)ソフトは、まちづくりや道路計画などの完成時のイメージを再現して、合意形成などに使われるようになりました。
さらに一歩進んで事故や火災などが発生したとき、施設の管理者が的確で迅速な判断と行動がとれるように、トレーニングに使うシステムも開発されています。
フランス・ボルドーのBMIA社が、フォーラムエイトのVRソフト「UC-win/Road」を使って、トンネル管理者向けの事故対策トレーニングシステム「G' VAL Training System」を開発していることは、当コーナーの7月29日付けの記事で紹介しました。
このシステム開発によって、BMIA社とフォーラムエイトは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
国際トンネルアワード(※)
のセーフティ・イニシアチブ・オブ・ザ・イヤーを受賞したのです。
(※)2011 NCE International Tunnelling Awards
授賞式での BMIA社 フィリップ・マルソー氏(右)とフォーラムエイトの松田克己氏(左)(写真:フォーラムエイト) |
G'Valシステムを操作するフィリップ・マルソー氏(写真:家入龍太) |
G'Valシステムの画面。事故などがVRによってリアルに再現される(資料:BMIA社) |
教官用の画面(資料:BMIA社) |
トンネル内で事故が発生すると、管理者はいち早く状況を把握し、信号や電光掲示板などによってトンネル内のドライバーに避難などの指示を出す必要があります。
場合によっては、消防車や救助工作車などの出動要請も急がなければなりません。そこで、VRによって様々な事故のケースを想定し、管理者を訓練しておくために、このシステムは開発されました。
実際の交通流を想定して、速度の遅いクルマや故障車も時々現れ、事故や火災の際は煙も発生するようになっています。
この賞は、トンネル業界での安全、健康、福利に貢献する最先端の技術に対して贈られます。BMIA社とフォーラムエイトは、最終候補5者の中から選ばれました。
審査員のコメントによると、このシミュレーターは、
トンネル業界の大きな進歩
であり、トンネル関連の安全のために重要な多くの分野で利用できるとしています。
日本製の建設関連ソフトが海外で使われ、さらに国際的な賞を受賞したことはうれしいですね。