ピーク電力を山崩し! 野村不動産の次世代型マンションエネルギー管理システム
2012年2月28日

管理人のイエイリです。

エネルギー管理システムには、いろいろな略称があります。ビルを対象とした「BEMS」、住宅を対象とした「HEMS」、地域内全体を対象とした「CEMS」、そしてマンションには「MEMS(メムス:Mansion Energy Management System)」があります。

野村不動産はこのほど、次世代型のMEMSとして「エネコック(enecoQ)」を開発しました。

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

電力とインターネットを融合

 

させ、電力消費のピーク抑制を目指すものなのです。

高圧一括受電とインターネットを融合させることにより、太陽光発電や蓄電池のエネルギーなどを組み合わせ、マンション全体でエネルギー消費の最適化を図ります。

各住戸の電気や水道、ガスの消費量は30分ごとにホームページに表示し、エネルギー消費を「見える化」するHEMSである「me-eneco(ミエネコ)」も導入します。

その結果、入居者は自宅のエネルギー使用量だけでなく、マンション内での電力使用ランキングも分かるのです。集合住宅ならではの省エネ競争が、ゲーム感覚で楽しめそうですね。

このシステムは、ファミリーネット・ジャパンと野村不動産が共同で展開する「プラウドマンションシリーズ」向けに開発され、第1弾として川崎市中原区の「プラウドシティ元住吉」(総戸数296戸)に導入されます。今後、首都圏の100戸以上のプラウドマンションシリーズに順次、導入していきます。

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野村不動産が開発した「エネコック(enecoQ)」の概念図(資料:野村不動産。以下同じ)

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パソコンなどで見られる「エネルギーの見える化」画面の例

電力のピーク削減には、独自の段階別電気料金制度「スマートプラン」を導入します。これは電力消費量によって電気料金を約20円、約30円、約40円と3段階に設定して省エネを促すものです。

例えば、テレビと食器洗い機を同時に使うと、電力料金が最も高い“レッドゾーン”に突入してしまうとき、

 

消費電力を“山崩し”

 

する要領で、テレビを消してから食器洗い機を使ってピーク電力を下げるインセンティブが働くようになっています。

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3段階の料金設定によってピーク電力の抑制を促進する「スマートプラン」

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食洗機を他の家電と同時使用することで、電気代が「レッドゾーン」の料金帯になるところを、
使用時間を工夫することで「イエローゾーン」の料金帯となる

マンションの専用部と共用部のエネルギー使用状況は、外部の「MEMS管理センター」で管理されます。電力需要が逼迫(ひっぱく)したときには、共用部の照明や空調を一部、強制的にストップさせるなどの制御も行います。

また、最大などで停電したときは太陽光発電のエネルギーによる自立運転に切り替え、共用部の照明や非常用コンセント、無線LANに優先的に電力供給を行い、管理を継続できるようになっています。

違う見方をすれば、マンションの販売会社はこうした電力管理サービスを行うことで、分譲後の維持管理業務でも収益を上げ続けることができるとも言えます。ライフサイクルを見据えた、マンションの新しいビジネスモデルになるかもしれませんね。

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