管理人のイエイリです。
住宅分野では、電気自動車を建物の電源系統と連携させて、搭載バッテリーを非常用電源やピーク電力削減の蓄電装置として活用する「スマートハウス」などが開発されています。
こうした電気自動車と建物との連携は、オフィスビルでも進んできました。
2月28日、住友不動産と日産自動車は、昨年12月にオープンした住友不動産新宿グランドタワーで、
ナ、ナ、ナ、ナント、
電気自動車を非常用電源
として、今年3月から導入することを発表したのです。複合開発のビルでは、日本で初めてとのことです。
使用する電気自動車は、日産リーフです。このクルマの駆動用バッテリーをビルの非常用発電機の補助電源として、多目的ホールの仮設照明や携帯電話の充電器、災害用設備の井戸ポンプや浄水器に使う予定です。
日産リーフには24kWhの大容量バッテリーが搭載されており、1台で多目的ホールに約42時間、災害用設備に約8時間、電力を供給できます。
日産リーフを非常用発電機と連携させて補助電源として使用する概念図(写真:住友不動産、日産自動車。以下同じ) |
住友不動産新宿グランドタワーの外観 |
多目的ホールや災害用施設の配置 |
住友不動産新宿グランドタワーの多目的ホールや仮設トイレ、非常用井戸を設置した広場は、災害時には地域防災拠点となり、帰宅困難者の一時避難場所として活用します。
また、日産自動車では、電気自動車を利用して「ゼロ・エミッション社会」を実現するため、住宅やマンション、公共施設向けの電力供給システムとして「LEAF to Home」を昨年末に発表しました。今回、地域への電力供給システムとして「LEAF to Community」をラインアップに加えました。
住友不動産新宿グランドタワーには442 台の駐車場を有しており、今後、電気自動車が増えれば、蓄電池の容量も増えることになります。
そこで、住友不動産では、電気自動車の所有者が災害時の補助電源としての利用に協力してくれる場合には、
優遇システムを適用
することを検討しています。
非常時に何十台、何百台の電気自動車の電力を利用できると、心強いですね。