あの60年代映画でも使用!リアルな3D都市を量産する「CityEngine」
2012年6月4日

管理人のイエイリです。

都市再開発や被災地復興などの計画を作るとき、都市化の範囲や容積率、建ぺい率などのルールに従って、未来の街並みをリアルに作りたいときがありますね。しかし、架空のビルの3Dモデルを一つひとつ、手作業で作っていたのでは時間やコストがかかって仕方ありません。

そんなとき、便利なのがESRIジャパンの「CityEngine」という都市景観モデリングソフトです。

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

3D建物を大量生産

 

してくれるソフトなのです。

6月1日、東京・六本木で開催された「第8回GISコミュニティフォーラム」でこのソフトの発表が行われると聞いていましたので、参加してきました。

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「CityEngine」について発表するESRIジャパンの丹羽雄輔氏(左)と作成した都市モデルの例(右)(写真:家入龍太。以下同じ)

このソフトは、地図データを読み込んで道路網や敷地・建物の形状を定義した後、「プロシージャル」というルールに基づいて建物の3Dモデルを瞬時に作る機能を持っています。

「CGA」という言語(ルール)によって建物の外形や屋根の形状を作るとともに、建物側面の画像からモデルを分割したり押し出したりして立体的なファサードを作成します。

また、道路にもルールに従って歩道や横断歩道、外灯、信号などが自動的に配置されます。道路をマウスで持ち上げると、自動的に高架橋にもなります。そして道路のレイアウト変更を行うと、それに付随して建物の形状や配置もダイナミックに変更することができます。

そのため、都市の範囲や基本となる道路網や、建物の容積率や建ぺい率などの条件を決めると、CityEngineによってホンモノらしい街並みの3Dモデルを量産することができるのです。

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CGAによって建物の3Dモデルを作る仕組み(左)と横断歩道や電柱の自動配置機能(右)
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プロシージャルモデリングによるビルの作成 (左)。街並みのエリアや建物の高さ分布から街並みを自動生成した例(右)
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道路のレイアウトを変更するとビルの配置も自動的に変わる

作成した都市の3Dモデルは、GISソフトで解析したり、映像として利用したりと、幅広く活用できます。

このソフトは都市計画のほか、エンターテインメントやゲームの世界でも活用されています。

あの、

 

「ALWAYS 三丁目の夕日'64」

 

に登場した東京の街並みも、このソフトで作られたそうです。ご興味のある方は「ビデオジャーナルの記事」をご覧ください。

気になるお値段ですが、OBJや3DS、DXFなどの基本フォーマットに対応した「CityEngine Basic」が初年度10万円(税抜き)、FBXなどの拡張フォーマット対応やPythonによるシーン制御やバッチ処理、GISデータサポートなどの機能を搭載した「CityEngine Advanced」が初年度80万円(同)とのことです。次年度はそれぞれ2万円、16万円の保守契約が用意されています。 

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