日本製VRソフトも導入!タイ住宅局のBIM実習室を直撃取材
2012年10月16日

管理人のイエイリです。

アジアのBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)活用を探る取材は、シンガポールからタイへと進みました。昨日(10/15)に突撃取材したのは、タイ住宅局(National Housing Authority of Thailand:以下、NHA)です。

1973年に設立されて以来、低所得者向け住宅の供給やスラム街の再開発などを行ってきたNHAは昨年、ついにBIMを導入しました。

庁舎内には7人が同時にBIMソフトの講習を受けられる本格的なトレーニングルームを設けられています。

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低所得者向け住宅のモデルルーム(左)。洪水に備えて高床式になっている、7人が同時にBIMソフトの講習を受けられるトレーニングルーム(写真:家入龍太。以下同じ)

現在、Revit ArchitectureでNHAの庁舎や、現在進行中のプロジェクトをBIMモデル化する訓練を行っていますが、そこに思わぬ日本製ソフトもありました。

ナ、ナ、ナ、ナント、フォーラムエイトのバーチャルリアリティー(VR)ソフト、

 

UC-win/Roadも導入

 

されていたのです。

UC-win/Roadを導入した狙いについて、NHAのIT局長、タウァン・スーンソービニット(THAWAN SOONTHORNVINIT)さんは「VRソフトのUC-win/Roadは住宅や街並みをリアルに表現でき、顧客の購買意欲を高められる。また、使い方が簡単でムービーも素早く作ることができる」と説明しています。

日本製ソフトが海外のBIM界で活躍しているのは、うれしいですね。

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NHAの庁舎ビル(左)をBIMモデル化する練習風景(右)
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トレーニングルームの一角に置かれたドライビングシミュレーター(左)には、UC-win/Roadが稼働していた(右)
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BIM戦略について説明するNHAのIT局長、タウァン・スーンソービニットさん

NHAがBIMを導入しているという情報を提供してくれたのは、タイ・バンコクのソフト販売会社、ツープラス・ソフト(TWOPLUS SOFT)社です。

バンコク市内の住宅地にあり、木々に囲まれて落ち着いた雰囲気の同社オフィスには、BIMソフトなどの講習を行う教室や3Dプリンターなどが置かれ、タイの建設ITをリードしています。

去年、タイを襲った洪水のときには、水深50cmほどの水が1カ月ほどひかなかったため、会社の業務は2カ月間も休止に追い込まれました。しかし、今は洪水の痕跡は全く見当たらず、社員の皆さんは明るく、元気に仕事をしています。

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木々に囲まれたツープラス・ソフト社のオフィス(左)と、明るい従業員(右)

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オフィス内に置かれた3Dプリンター(左)と、写真を立体化するソフトを元に造形した模型と本人(右)

このオフィスで、日本的な面白い光景を目にしました。

ナ、ナ、ナ、ナント、

  

入り口に靴が脱いである

 

ではありませんか。

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オフィス入り口に脱ぎ捨てられた靴の山。去年の洪水時にはこのあたりも1カ月間、50cmほどの深さの水につかったという

見てみると、社員さんたちはオフィス内をペタペタとはだしで涼しそうに歩き回っていました。日本以上に日本的なオフィスにビックリしましたが、私も試してみると、その快適さが生産性向上につながることが実感できた次第です。

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