燃料電池で直流給電!省エネデータセンターの非常用電源に
2013年1月25日

管理人のイエイリです。

データセンターのエネルギー効率を表す指標に「PUE」があります。データセンター全体の消費電力をIT機器の消費電力でわったもので、これが1に近いほどエネルギー効率が高いことになります。

データセンター事業を営むさくらインターネットの石狩データセンターは、PUEがわずか1.17で、データセンターの中でも省エネ優等生と言える存在です。

その理由は、北海道の涼しい気候を利用した外気冷房を採用しているため、従来型のデータセンターに比べて空調の消費電力を約9割も削減できるからです。

さらにエネルギー効率を高めるため、電源を従来の交流方式から、高電圧直流給電(HVDC)方式に変更し、実証実験を行ってきました。

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HVDC給電システム実地検証環境の外観。20フィートコンテナに空調ユニットを備えつけ、内部に6ラック規模のHVDC設備を用意している(写真:さくらインターネット。以下同じ)

 

その非常用発電装置として、NTTデータ先端技術とともにこのほど採用したのは、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

燃料電池

 

なのです。

燃料電池からの直流を、交流に変換すると変換時に5~10%程度の電力損失が発生しますが、HVDC給電システムで直流のまま利用すると、直流/交流の変換による電力損失がないので、非常に効率が高まります。

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HVDC給電システム実地検証環境に設置した燃料電池の外観

このほか、燃料電池は発電時に、

 

CO2や排ガスを出さない

 

ので、ますます環境に優しいデータセンターになります。

今回、採用した燃料電池は、サンコーシヤの水素燃料電池システム「「altergy systems」で、水素と酸素の化学反応で発電します。従来の非常用電源と比較しても軽量で省スペースとのことです。

水素と酸素が反応すると、水になりますから、排ガス問題もありません。データセンター以外でも、電気設備がない場所での電源として、水素燃料電池システムが有効に使える用途がありそうですね。

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