Inventorに配管機能も!オートデスクの99万円台BIM、CIMパッケージ
2013年5月13日

管理人のイエイリです。

建物や土木インフラの3次元モデルを使って設計、施工、維持管理などの業務を効率的に行うBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)やCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)を本格的に行って業務の生産性を高めようといすると、様々なソフトが必要となります。

建物や構造物の3Dモデリングはもちろん、複数のソフトで作った3Dモデルを集めて干渉チェックやCG・アニメーションの作成のほか、最近は3Dレーザースキャナーで計測した点群データを処理するソフトなども求められます。

BIM、CIM用のソフトと言えば、1本数十万円するもののが多いので、必要なソフトを全部そろえると大変な金額になってしまいそうです。

そこで、オートデスクはBIM、CIMの業務に使うソフトを十数本集めた「Suite」製品の新バージョンを発売することになりました。BIM用の「Building Design Suite 2014」と、CIM用の「Infrastructure Design Suite 2014」で、中心的な構成となる「プレミアムエディション」の価格は、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

税込み99万円台

 

という、超お買い得な価格なのです。

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BIM用の「Autodesk Building Design Suite 2014」と、CIM用の「Autodesk Infrastructure Design Suite 2014」のパッケージ(資料:オートデスク。以下、同じ)

Building Design Suite 2014には、ラスター形式のデータ編集やベクター形式への変換ができる「Raster Design」や、点群データや写真から3Dモデルデータを作れる「ReCap」が新規に加わりました。

また、Infrastructure Design Suite 2014には、中心的なソフトとなる「Infrastructure Modeler」が「InfraWorks」と名前を刷新したほか、「ReCap」が新規に加わりました。「プレミアムエディション」以上には、英語版ソフトとして橋梁設計用の「Bridge Module」やボーリングデータのインターフェース「Geotechnical Module」、鉄道軌道設計用の「Rail Layout Module」が追加されました。

最上位の「アルティメイトエディション」では、さらに構造解析用の「Robot Structural Analysis Professional」や意匠・構造・設備用BIMソフト「Revit」、英語版ソフトとして道路・高速道路計画用の「Roads and Highways Module for InfraWorks」や河川・洪水シミュレーション用の「River and Flood Analysis Module」も追加されました。

以下に、その一覧表をご紹介します。

「Autodesk Building Design Suite 2014」

含まれるアプリケーション名 エディション名
Standard
Premium
Ultimate
Autodesk Revit
(BIM アプリケーション)

Autodesk AutoCAD Structural Detailing
(構造詳細設計向けアプリケーション、英語版)

Autodesk AutoCAD
(統合設計アプリケーション)

Autodesk AutoCAD Architecture
(建築向け設計アプリケーション)

Autodesk AutoCAD MEP
(建築設備設計向け設計アプリケーション、英語版)

Autodesk Robot™ Structural Analysis Professional

(構造解析アプリケーション)

Autodesk AutoCAD Raster Design
(ラスター編集、ベクター形式へのデータ変換アプリケーション)


(新規同梱)


(新規同梱)


(新規同梱)

Autodesk ReCap™
(点群データや写真から3Dデータを作成するアプリケーション)


(新規同梱)


(新規同梱)


(新規同梱)

Autodesk InfraWorks®
(旧名称:Autodesk Infrastructure Modeler)
(都市・宅地開発や土木・インフラ整備など向け
BIM/CIM アプリケーション)

Autodesk Inventor® 2014
(3D デザインアプリケーション)

Autodesk Navisworks® Simulate
(プロジェクトレビュー向けアプリケーション)

Autodesk Navisworks Manage
(プロジェクトレビュー向けアプリケーション)

Autodesk Showcase®
(フォトリアリスティック レンダリング アプリケーション)

Autodesk 3ds Max® Design
(3D CG、アニメーション制作向けアプリケーション)

Autodesk SketchBook® Designer
(イラスト/ペインティング アプリケーション)

発売予定日 5 月 10 日 5 月 17 日 5 月 20 日
希望小売価格(税込。新規スタンドアロンの場合) 845,250 円 997,500 円 1,533,000 円
 


「Autodesk Infrastructure Design Suite 2014」

含まれるアプリケーション名 エディション名
Standard
Premium
Ultimate
Autodesk AutoCAD Map 3D
(公共インフラ、土木設計計画向けアプリケーション)

Autodesk InfraWorks
(旧名称:Autodesk Infrastructure Modeler)
(都市・宅地開発や土木・インフラ整備など向け
BIM/CIM アプリケーション)

Autodesk AutoCAD
(統合設計アプリケーション)

Autodesk AutoCAD Civil 3D
(土木設計向け設計アプリケーション)

Autodesk AutoCAD Utility Design
(配電設計アプリケーション、英語版)


(新規同梱)

Autodesk Revit
(BIM アプリケーション)


(新規同梱)
Autodesk Revit Structure
(構造設計向け BIM アプリケーション)


(新規同梱)

Autodesk Robot Structural Analysis Professional
(構造解析アプリケーション)


(新規同梱)
Autodesk AutoCAD Raster Design
(ラスター編集、ベクター形式へのデータ変換アプリケーション)

Autodesk ReCap
(点群データや写真から 3D データを作成するアプリケーション)


(新規同梱)


(新規同梱)


(新規同梱)

Bridge Module
(橋梁設計モジュール、英語版)


(新規同梱)


(新規同梱)

Geotechnical Module
(ボーリングデータのインターフェース、英語版)


(新規同梱)


(新規同梱)

Rail Layout Module
(鉄道軌道設計モジュール、英語版)


(新規同梱)


(新規同梱)

Roads and Highways Module for InfraWorks
(道路・高速道路計画モジュール)


(新規同梱)

River and Flood Analysis Module
(河川および洪水シミュレーション モジュール、英語版)


(新規同梱)

Autodesk Navisworks Simulate
(プロジェクトレビュー向けアプリケーション)

Autodesk Navisworks Manage
(プロジェクトレビュー向けアプリケーション)

Autodesk 3ds Max Design
(3D CG、アニメーション制作向けアプリケーション)

発売予定日 6 月 5 日 6 月 7 日 6 月 12 日
希望小売価格(税込) 845,250 円 997,500 円 1,533,000 円

これらのSuite製品は、オートデスクのクラウドサービス「Autodesk 360」と連携し、高画質レンダリングやシミュレーションなどを行えます。

また、BIM、CIM用のパッケージに含まれるRevit 2014やCivil 3D 2014は他社ソフトとも連携を深め、日積サーベイの建築数量積算・見積もり作成ソフト「HEΛIOΣ(ヘリオス) Ver8.1」(5月13日発売予定)、生活産業研究所株式会社の高さ制限解析システム「ADS-BT for Revit」(6月発売予定)、サトウファシリティーズコンサルタンツの建築コストシミュレーション「コストマネージャーVer01」(10月発売予定)、NTT ファシリティーズ総合研究所の一貫構造計算「SEIN La CREA」(今後対応予定)、伊藤忠テクノソリューションズの3次元地質 CAD/GIS ソリューション「GEORAMA for Civil 3D」夏ごろ対応予定)が発売される予定です。

同時に、プラント設計用の最新パッケージ製品「Plant Design Suite 2014」も発表されました。注目すべきは最上位の「アルティメイトエディション」に含まれている製造業向けの3次元CAD「Inventor with Routed System」です。

ナント、

 

配管・配線用の3Dモデリング

 

を行える機能が追加されているのです。Inventorが配管や配線にも対応したことで、建設業と製造業の連携がより深まりそうですね。設備設計用のBIMソフト「Revit MEP」との連携も気になります。

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「Autodesk Plant Design Suite 2014」のパッケージ

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