現場を見える化!フジタがエネルギー監視システムで88トンのCO2を削減
2013年5月28日

管理人のイエイリです。

家やビルで使われているエネルギーをHEMS(住宅エネルギー管理システム)やBEMS(ビルエネルギー管理システム)によって「見える化」すると、人々の省エネに対する意欲が高まり、実際にエネルギー使用量が減る効果があります。

これは工事現場でも同じようです。フジタは同社JVが施工した「東京都砂町再生センター雨水放流渠工事」のシールドトンネル工事現場に、CO2排出量をリアルタイムに監視するシステム「FCMS(Fujita CO2 Monitoring System)」を導入したところ、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

88.6トンのCO2を削減

 

することに成功したのです。

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CO2モニタリングシステム「FCMS」の概念図(資料・写真:フジタ。以下同じ)

この現場ではCO2を削減する対策として、立て坑クレーンがセグメントを降ろすときの回生電力を他の機械設備に使いました。事務所には太陽光発電パネル92枚(月間発電量約2500kWh)、現場内には直径1.7mの小型風力発電機を設置しました。

そしてシールド坑内の仮仮設照明にLED蛍光灯を使用し、掘削土砂を「高圧薄層フィルタープレス」で脱水して汚泥の量を減らすことにより、搬出ダンプの燃料を減らすことを計画しました。

それぞれの対策が、どんな効果を生み出しているのかが分からないと、省エネにもあまり本気になりません。そこで同社はFCMSで現場の全設備の電力使用情報を現場事務所で「見える化」するとともに、坑外のずり出し設備で使用するバックホーにもモニタリング機器を取り付け、エンジンからのCO2排出状況がオペレーターに分かるようにしました。

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バックホーのエンジン回転センサー(左)とオペレーターにCO2排出量を知らせる運転席のモニター(右)

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セグメントのつり下ろし時に“発電機”となる立て坑クレーン(左)。シールド坑内に設けた仮設用のLED蛍光灯(右)

見える化の効果はてきめんでした。例えば、坑内の排水に使用するバキューム設備が日常的に空運転している状況を発見し、間欠運転に切り替えたところ、排水用の電力を10%低減できました。

また、立て坑クレーンの回生電力利用で30%、坑内照明のLED化で50%もの節電ができました。

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砂町シールドにおけるCO2削減効果

フジタは「見える化」による電力や燃料消費の一元管理、エネルギー回収、汚泥の減量化などの技術を組み合わせて、

 

「高環境シールド」

 

というブランド名で、今後、工事の省エネ化を図っていく方針で、商標登録も出願しました。

「見える化」の効果は強力ですね。町全体、国全体、そして地球全体にエネルギー管理システムを付けて、エネルギーの無駄使いがないかを見つけるとともに、人間全員で省エネに取り組めるようになればいいなと思った次第です。

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