管理人のイエイリです。
建材・設備メーカーではこれまでも自社製品のCADデータを提供していましたが、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の普及に伴い、BIMパーツを準備している会社も増えているようです。
日立機材は、鋼管柱などの基部となる「スーパーハイベース工法」の主力製品、GXシリーズのBIMパーツを公開しています。
GXシリーズの構成部品の実物とBIMパーツ(左)。設置後の状況(写真・資料:日立機材。以下同じ) |
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基礎の鉄筋と複雑に交差して設置された状況 |
ナ、ナ、ナ、ナント、
露出型柱脚業界では初
とのことです。(2013年6月現在)
このBIMパーツは、オートデスクのBIMソフト、Revit用の「ファミリ」(rfa形式)で、GXシリーズの全42形式をBIMパーツ化しています。同社ウェブサイトの「CADデータライブラリー」から一括してダウンロードできます。BIMパーツ1個あたりのファイル容量は400kB程度です。
スーパーハイベース工法の主要構成部材であるベースプレートとアンカーボルトのほか、アンカーボルト設置時に用いる設置用フレームや形板なども含めてデータ化してあります。
設置用フレームは、基礎鉄筋やアンカーボルトと複雑に交差するように取り付けられます。そこでこのBIMパーツを使うと、Revitによって設計時に干渉チェックを行い、事前に配筋などの問題点を解決しておくことができます。
基礎の深さは建物によって異なるので、設置用フレームの高さは自由に変更できるようになっています。また、設置用フレームは表示/非表示の切り替えができます。
BIMパーツを使って配筋設計を行った例 | |
BIMパーツのダウンロードサイト |
このBIMパーツのスゴイところは、属性情報が充実していることです。ベースプレートやアンカーボルトなどの各種寸法や質量、使用材質のほかに、
積算用の標準価格
もインプットしてあるのです。
BIMパーツに入力された属性情報。積算用の標準価格(赤枠内)も入っている |
これだけ属性情報が充実したBIMパーツは、メーカーでなければ作れませんね。さらに価格情報が入ったBIMパーツがあると、高い精度で概算金額を求めることができるので設計とコストを連動させた検討もしやすくなります。
日立機材さんのようにBIMパーツを公開する建材・設備メーカーが、今後もどんどん登場してくることを期待したいですね。